野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

土俵にあがる15の変奏曲

ヴァイオリニストの小川和代さんのために、新曲「土俵にあがる15の変奏曲」を作曲した。これは、高砂部屋の呼出しの邦夫さんが力士の名前を呼びあげる美声「ひがーーーしーーー」とやる声をいろんなスタイルに変奏していく曲。本日は、小川さんと、ピアニストの柿原宗雅さんとでのリハーサルに立ち会った。最初に聞いた時点で、既に素晴らしかったのだが、1曲、1曲取り出して、もっとこんなイメージで、と注文を出すと、どんどん曲の特長がクリアになって、かっこよかったり、面白かったり、美しかったりする。ちなみに、この曲はヴァイオリンとピアノだけで演奏できる曲だが、飛び入りありでも演奏できる曲で、ぼくも少しだけ飛び入りでパフォーマンスするので、今日は、その練習もした。12月11日の本番が、本当に楽しみだ。

 

【主催】日本センチュリー交響楽団リサイタルシリーズVol.9小川和代 ヴァイオリンリサイタル | 豊中市立文化芸術センター

 

せっかくなので、鶴見幸代作曲の「毛弓取り甚句」も聞かせてもらい、この曲の中に出てくる民謡(竹野相撲甚句や大相撲の相撲甚句)や、大相撲のはね太鼓の話なども説明すると、なんと小川さんのお母さんが竹野浜出身ということが判明。竹野浜に伝わる相撲甚句を題材に鶴見さんが作曲したら、なんと小川さんが竹野浜にゆかりのある人だった。縁とは不思議なものだ。

 

樅山さんの新曲「戦争中、お父さんの村で、ニウェンホリピがあった」は、小川さんと樅山さんでやりとりしながら曲作りが進んでいて、ヴァイオリン独奏曲。小川さんがアイヌの人の語りを楽譜に書き起こしている。ベートーヴェンのクロイツェルソナタと、相撲をテーマにした三曲。すごい振れ幅のコンサートになる。

 

九州場所は九日目。朝乃山が小結で勝ち越しに王手の7勝目。