野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

David Hughesのレクチャー

昨夜、我が家にインドネシアの作曲家Gardika Gigih Pradiptaが泊まったので、ギギーとの朝食。ギギーと語り合う。ギギーは、ぼくが上野さんの調律の考えについて、本を書くべきなのではないか、と言う。確かに、それだけで一冊の本をつくるのは難しいかもしれないが、ギギーと話しているうちに、上野さんとピアノの話で1章、瓦の音楽の話で1章、相撲を聞く話で1章、オーケストラの話で1章、というような形で、一冊の本にまとめるのがいいのでは、という考えにいたった。それを、日本語と英語の2ヶ国語で作ればいいのでは、とのこと。確かに、ピアノ、瓦、相撲、オーケストラ、に関する音楽の本、って面白いかもなぁ。

 

午後は、小泉文夫音楽賞を受賞したDavid Hughesさんのレクチャーを聞きに、同志社大学に行く。日本語と英語という告知だったので、ギギーも一緒にいったが、デイヴィッドが日本語が流暢なため、レクチャーが日本語だけになったため、全部、ギギーに英訳して伝えなければいけなくなり、大変だった。「南部牛追歌」を歌いながら、牛の声をお客さんがする観客参加の仕方が面白かった。また、「ドンパン節」を歌うときに、「どんどんぱんぱんどんぱんぱん」という歌詞に合わせて、「どん」に合わせて丼ぶりを見せて、パンにあわせてフライパンや食パンを見せる演出など、ステージで民謡を歌うエンターテイメントの話も面白かった。講義の後に、デイヴィッドと少し話をして後、記念撮影。

 

東京に行くギギーと別れる。次に彼に出会うのは、いつになるだろう。インドネシアか、日本か、それとも別の国でか。

 

家に帰ると、注文していた本(Beyond Notation -The Music of Earle Brown)が届いていて、ちょっと読む。ケージやフェルドマンはジャズが嫌いだったけど、ブラウンは、ジャズが好きな偶然性の作曲家。そして、カルダーのモビールに影響を受けて、モビールのような音楽をつくろうと思った作曲家。ジャズも現代音楽も楽しめる柔軟さがあり、本人自身がモビールのような柔軟性があったのだと思う。だから、興味がある。指揮者は独裁者じゃない、共演者だ、と言うブラウンの指揮を見てみたかった。

 

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