野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

瓦リハ

インドネシアジョグジャカルタにおります。ガムラン演奏家のスニョトさんが訪ねて来て、色々、お喋りをしました。1月に大阪で共演した「釜ヶ崎オ!ペラ」のこと、ガムランのことなど、楽しく語り合いました。その後、美術家のヤヤットさんも訪ねて来て、「瓦の音楽」舞台美術のアイディアについて、語り合う。

午後は、リハーサル。伝統音楽の作曲家ウェリーと西洋音楽の作曲家ギギーという二人の若手作曲家が到着。千住だじゃれ音楽祭から自主的にインドネシアまでやって来たコヒヤマさんとイハラさんも到着。炎天下を30分歩いて来たようで、真っ赤に日焼けしている。熱中症に気をつけて!

やぶさん、野村が、インドネシアでゲットした瓦をチューナーでピッチを計測し、瓦に書き込んでいく。この作業にウェリーとギギーも加わる。これをしないと、多数ある瓦は形だけでは、音の特性の見分けがつかないので、楽器のセットが決められない。

ヤヤットさんがドイツ人美術批評家アントンさんを連れて来る。

ギギー、ウェリー、やぶ、野村の4人で、瓦の音楽即興演奏。そこに、佐久間さんの舞踊が加わり、映像の上田君が撮影する。空間に響く瓦の音を、身体でシェイクし、音が空間とブレンドされていく。ジャワと日本の瓦が、徐々に混じり合っていく。伝統を起点に遥かに逸脱した独自の世界を追求する作曲家のスボウォさんが来る。巨匠の風格が漂う。

色々な音があり過ぎるので、淡路島のスレンドロ瓦セット(×2)と、ギギーと野村が鍵ハモで、もう一度演奏。ギギーも野村も、鍵ハモをやったり、インドネシア瓦をやったりする。徐々に、4人の音が溶け合っていく。佐久間さんが踊りたくなる音楽になっていく。

お茶をして後、スボウォさんが瓦を初体験。単に音階を演奏するだけではない。様々な音色を一枚の瓦から引き出すスボウォさん。そして、踊り手の心をつかむスボウォさん。ウェリーは、ガンバン(木琴)で共演。

その後も、素晴らしき瓦の音楽、つづき、つづき、空を飛ぶように、音楽がつづいて、後、

マレーシアから来ている森真理子さん(さいたまトリエンナーレのディレクター)とも再会して、夕食と相撲聞芸術の話の後、メメットのスタジオに行って、ガンサデワのリハーサルを見学し、メメットの石の音楽の新作映像を満喫して後、メメットと夜食で、彼の音楽哲学の熱いレクチャーを聞いて、深夜に。