野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

色々な同窓会でもあった

京都芸術センターでのThe Instrument Builders Projectのコンサートに行きました。

いくつかのグループに分かれて、ツアー形式になっていたのは、それぞれの展示会場の収容人数が少ないので。インドネシアから来日中のウキルのパフォーマンスに出会えたことは、喜びですが、5年前にインドネシアで数々のコラボレートして以来、彼と次の共演が実現していないのは、とってもとっても残念であります。彼の家で昼寝をしたり、庭のバナナをいただいたり、一緒に夜行列車で旅したりしたこと。インドネシア天然ガスの事故と、有毒ガスが吹き出し村人が移住を余儀なくされたLapindo事故の話と、日本の原発事故の話をして、イベントを開催したのが5年前。

ナターシャの図形楽譜の展示は、観客参加型。ゲストで呼ばれていた坂本公成くん、森裕子さんが、図形楽譜の演奏をしている。公成くんは、学生時代からの友人。なぜかナターシャは、真っ先にぼくにマイクを手渡してきたので、率先して演奏に加わりました。今日は、公成、裕子と共演するとは思ってなかった。

ミスバッフの音の鳴る弓のパフォーマンスは、大相撲の弓取り式のようでもあった。ああ、相撲の弓取り式も、昔は音が出たのかもしれないなあ。

ゲストの内橋和久さんの演奏も、久しぶりに味わう。1990年代の前半は、よく京都や大阪のライブハウスで、内橋さんのバンドと対バンになることが多かった。ぼくは20代で内橋さんも30代前半だったのに、あれから25年以上経って、すっかりベテランである内橋さんですが、しかし、音を探求する姿勢は一貫していて、再会する度に、良い刺激をいただきます。内橋さんとも久しぶりに共演したいものです。

遅れて来た高嶺格くんと樅山智子さんの体験型の作品で共演。高嶺くんが、大昔、我が家に泊まりに来た時に、延々と箏で色んな音を出して遊んでいたことを思い出す。モミーの作品で、こんな激しい演奏をするとは思わなかった共演を、樅山さんが熱い間接キッスと呼ぶ。今日は、色んな友人と再会したり、共演したりする。でも、ウキルとは共演せず。

コンタクトゴンゾの塚原さんの体当たりな演奏、カセットテープを解体して演奏の荒木さんの演奏、苔の声を聞くケイトリンの演奏、印象深く、それぞれを味わい、良き刺激をいただく。

最後のセッションは、参加しているアーティストのうち男性全員が出演。女性は一人も参加せず。実験音楽は男の子のもの、というわけではなく、偶々なのだろうが、実験音楽ジェンダー、少し気になった。

いっぱいの刺激をありがとう。