野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

メメットはメメット

インドネシアの中部ジャワのジョグジャカルタに滞在中。国際交流基金の市民交流プログラムの助成を得て、千住だじゃれ音楽祭のだじゃれ音楽研究会で、「ジャワで交流したんじゃわ」を日々実践中。いよいよコンサートの日。

ジョグジャの芸大のコンサートホール。舞台と客席が遠い感じのフォーマルな場。2012年に、スボウォさんの作曲作品の演奏で、この舞台に立ったことがある。

メメットに捧げる曲を練習し、大学生とメメット作曲の「Senju」を演奏し、その後、思いつきで、「ドミノだおし」を演奏する。簡単な説明で、すぐに共演できる。だじゃれ音楽は、国籍を越えて有効。指揮者を学生にやってもらう。ミを演奏する合図は、ミー(麺)を食べる仕草にする。

ヴァイオリンのディーダが、興奮して英語で話しかけてくる。かなり英語も堪能で、意見もしっかりしている。作曲の学生で、ヴァイオリンでユース・オーケストラを仕切っている。またまた、賢くセンスのいい学生が現れる。音楽が幸福をもたらすことを、すごくこの二日で体感したと興奮して語る。

ガンサデワとの「ゆうじょう」は、歌詞を教えてもらい、曲の後半では、日本人も一緒に歌うことにした。メメットの指揮は、ほとんどダンスになっている。

「ごはんはナシ」も練習。そして、コラボレーション企画として、野村誠(ピアノ)+ウェリー・ヘンドラトモコ(グンデル)+メメット・チャイルル・スラマット(フルート)+佐久間新(ダンス)を設定。

コンサートのプログラムは、

1 だじゃれ音楽「ドミノだおし」
2 メメット・チャイルル・スラマット「Senju」
3 ガンサデワ「ゆうじょう」
4 ガンサデワ「新曲」
5 だじゃれ音楽「ケロリン唱」
6 鍵盤ハーモニカ6重奏
7 だじゃれ音楽「ごはんはナシ」
8 野村+メメット+ウェリー+佐久間
9 全員即興

客席には、作曲家のスタントさん、スボゥオさん、アスモロさん、ギギーくん、ダンサーのミロトさん、ウッティさん、Senyawaのウキル、カトウマミさん、などなどの顔ぶれも見える。

ガンサデワの新曲は、途中で、佐久間さんが踊りで登場し(予定外)、野村が客席を走り回り(予定外)、だじゃれ音楽研究会メンバーも舞台に乱入する(予定外)狂乱のセッションが登場し、客席と舞台の距離感が接近した。

鍵盤ハーモニカ6重奏には、タケオと佐久間さんがダンスで飛び入り。メメットとウェリーとの即興の共演も、愛おしい時間。そのまま全員即興になだれ込み、混沌の即興は、四股でフィナーレ。観客の皆さんと歓談、写真撮影の後、車で明日のコンサートのクラテンの村ジャティノムへ移動。深夜12時半に到着し、村長からの挨拶、もてなし、歓迎のモチョパット(詩吟)と、アーポム(伝統菓子)などがあって、2時過ぎに就寝。