野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

温泉プールの音楽計画

いよいよマルセイユでの滞在も最後の1週間になりました。と同時に、1ヶ月後の4月12日から香港でのレジデンスが始まります。香港は、病院のリハビリテーション・センターでのアートプロジェクトだけに、温泉プールがあって、今朝は、ここで音楽ができないか、と提案がありました。楽しみです。通常は、理学療法とかでしか使っていないのだそうです。

大阪場所が始まっておりますが、インターネットにいろいろな動画があがっているので、フランスにいながら大相撲の様子が体験できます。大した世の中です。

午後、ディディエと学生との稽古。架空の言語によるモノローグを、もっと音楽的にキャラをつくるように、というのを、今日はやりまして、言葉の意味はわからなくとも、怒っている、叫んでいる、笑っている、愚痴っている、朗読のキャラをつくることで、ニュアンスが音楽的に出てきます。演劇でありながら、音楽でもあるなぁ、と楽しむ。

あとは、「ソングゲーム」の中で登場する3つの新曲を練習しているうちに、歌わずに、歌詞だけを途切れ途切れに、バラバラに言うシーンが生まれました。こうした偶発的に出るものを拾って、面白くしていくところがディディエの良いところ。

あとは、即興の芝居に合わせて、ピアノを弾いたりしておりました。

The Music of Lutoslawskiという本を持ってきているので、夜、少し読書。Concerto for Orchestraの第1楽章の分析について、読んでおりました。ポーランドの20世紀の巨匠の音楽、ハーモニーが独特で、いろいろ工夫があるので、以前から気になっておりましたが、こうした名著があると、勉強になり助かります。