野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

相変わらず、「越後獅子」を研究中

昨日の「越後獅子コンチェルト」のリハーサルをもとに、スコアを検討しております。残り限られたリハーサルなので、練習を効率よく進めるために、その場で思いついているようでは間に合わないので、次回のワークショップ/リハーサルを想定しつつ、色々、確認/チェックしております。

それにしても、地歌越後獅子」の歌詞は、本当に面白く、現代詩のような、ラップのような、駄洒落のような、言葉遊びが連続し、韻を踏み、イメージが跳躍し、世界がジャンプします。せっかくなので、「越後獅子」の歌詞をこちらに紹介させてください。

越後獅子

こしじがた
おくにめいぶつ さまざまなれど
いなかなまりの かたことまじり
しらうさぎなる ことのはに
おもしろがらし そうなこと
なおえうらの  あまのこが
ななつかやつめ うなぎまで
うむやあみ   そのつなでとは
こいのこころも こめやまの
とおきうわきで おうれんも
なにいといがわ いとうおの
もつれもつるる くさうらの
あぶらうるしと まじわりて
すえまつやまの しろぬのの
ちぢみははだの どこやらが
みえすくくにの ふうりゅうを
うつしだいこや ふえのねも
ひいてうとうや ししのきょく
むかいこやまの しちくだけ
えだふしそろえてきりをこまかに 
じゅうしちが  はなのさかりを
ゆめにみて そうろう


までが、「まえうた」でして、夢が始まるかのように、手事と言われる歌詞のないインスト音楽が始まります。これは、延々続くわけです。そして、延々、続いた後に、「あとうた」が来ます。

ゆめのうらかた 
ししはぼたんを もたねども 
ふきはおのが 
すがたにさかせ まいおさむ
すがたにさかせ まいおさむ

野村の作品も、この地歌の構造を踏襲しているわけです。原曲では、この手事の部分が、手事1、手事2、手事3と3曲メドレーになっているわけです。

地歌越後獅子」の構造

1 まえうた
2 手事1
3 手事2
4 手事3
5 あとうた

野村の「越後獅子コンチェルト」は、その構造をほぼ踏襲しながら、微妙に違います。しかし、「夢に見て候」の後に長大な器楽音楽が始まり、それが「夢のうらかた」まで延々と続く、という大きな枠組みは踏襲しております。

越後獅子コンチェルト」の構造

1 第1楽章(「まえうた」に基づく)
2 第2楽章(「手事2」に基づく)
3 第3楽章(「手事3」に基づく)
4 第4楽章(まえうたの言葉/ワークショップでの断片に基づく)
5 コーダ(「あとうた」に基づく)

ということで、今日も地歌越後獅子」について、研究したり、ピアノを弾きながら、どのように指揮をするのかなどを、研究する一日でした。