野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

静岡でコンサート

日帰りで静岡に行って、コンサート。

静岡大学の企画。まずは、静岡大学でワークショップの参加者の方々のリハーサルに立ち合う、と思いましたが、皆さんチームごとに打ち合わせなどをされている。そこで、静岡大学の先生で作曲家の長谷川さんと野村作曲の連弾曲「相撲聞序曲」を練習。今年の4月に作曲したこの曲、もう一体、何度演奏したことだろう?

その後、会場を移動し、旧マッケンジー邸へ。こちらでコンサート。移動型コンサートで、最初は、玄関近くの廊下で、野村の鍵ハモ・イントロダクション。そして、その後、ピアノ独奏で、「たまごをもって家出する」を弾く。そして、長谷川さんとの連弾で、「相撲聞序曲」。この後、移動して、階段の踊り場で、ワークショップ参加者の演劇的な要素の高い小品のパフォーマンス、そして、キッチンでケチャ風のお茶の名前を連呼するリズムアンサンブルを経て、最後は、調律のバラバラな断線弦もあるピアノを弾いて、マッケンジーさんへの感謝を伝え捧げるピアノ即興演奏をして終わる。その後、静岡大学に戻り、皆さんと色々フィードバックの集い。

閉会後、sensenciを訪ねる。ここを訪ねたのは、本当に何年ぶりだろう。おそらく10年くらい経つ。夕飯を御馳走になり、人々が集い始め、ミニミニピアノ演奏会をすることになり、地元のピアニストの方との初見連弾、そして子どもとの即興セッションなどが起こって後、帰る。

行き帰りの新幹線では、相変わらず、作曲家ヘンリー・カウエルの伝記を読んでいる。カウエルが刑務所で暮らした4年間の場面が、延々と続いていて、裁判や、刑務所の様子など、読んでいて、辛い話もあるのだが、次第に、明るい話題が出てくる。刑務所内でブラスバンドのために作曲したり、音楽理論のコースを教え始めたり、コンサートを始めたり、さらには、スペイン語や日本語も習い始める。捕虜収容所で「時の終わりのための四重奏曲」を作曲したメシアンも凄いが、刑務所で「United Quartet」ほか、多数の作品を作曲したカウエルも凄い、と熱中しているうちに、京都に帰り着く。

家に帰ってから、少し作曲しようと思い、少しだけ譜面をいじり始めるが、休むことにする。