野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

世界のしょうない音楽ワークショップ

東京から京都にとんぼ帰り。新幹線の中で、ぐっすり眠って、京都駅。一度、自宅に戻って、ワークショップの準備として、どの楽器を持っていくかとか、考えているうちに、出発時刻。そのまま、大阪音大へ。

マンチェスター・カメラータのフルート奏者のアミーナ、ホルン奏者のナオミと再会。昨日、来日して、今日から高齢者とのワークショップのプログラムの指導に来ている。今日は野村のワークショップにも来てくれた。せっかくなので、彼女たちも加わった編成の譜面を、昨日書いた。

ということで、菊武先生とお弟子さん二人が箏で「六段」を弾き、日本センチュリー交響楽団からヴァイオリンの小川さん、巌崎さん、コントラバスの村田さん、トロンボーンの三窪さん、クラリネットの吉岡さん、そして、マンチェスターの二人、野村がピアノという11人による合奏。「Tradition - Extra Addition」。この曲のもとの曲は、箏+アコーディオン+ピアノ。

ワークショップが始まる前に、リハーサル。いやぁ、みんな初見なんですけど、初見なりの良さがあり、それでも十分、アンサンブルの楽しさも味わえる。

と練習しているうちに、ワークショップの時間に。一般参加者50名を含む約70名。1月12日に、「世界のしょうない音楽祭」として、発表する。最初に、野村の「鍵盤ハーモニカ・イントロダクション」をやって、「正解は一つではない」こと、「いろいろな奏法を自分で考えてもいい」ことを伝えて後、邦楽+洋楽が混ざる11名のアンサンブルを聞いていただく。やっぱり、皆さん、プロで、本番になると、急に間違いなくなったり、決まったりする。さすがだなぁ。

その後、みんなで手拍子したり、隣の人と、手遊びしたりして、そうしたアンサンブルをして後、楽器を持って「せーの」と「1234」をやる。これは、小さな子どもから、色々な年齢の人がいて、最初に「1234」とやったら、人数も多いし、リズムも噛み合なかったので、しばらく、続けてみた。徐々に、演奏を工夫したり、他人の音が聞こえるようになり、アンサンブルが、どんどん良くなり、限りなく混沌に近いサウンドから、何かが浮かび上がってくる。

こうした全体での活動をして後、4つのグループに分かれて、活動していただく。4グループ、それぞれのメンバー構成や、コミュニケートがどのようにはかられそうかを確認したかったのもあり、とりあえず、4グループ、それぞれで、メンバー紹介の挨拶をしてもらう。その様子を見て、各グループに違う課題を出す。シタール+箏のチームは、越後獅子の詞にあわせたメロディーをつくってもらい、ヴィオラダガンバとヴァイオリンとガムランのチームは、打楽器チームにリズム、弦楽器は、楽器でハーモニーを作ってもらい、三味線とクラリネットトーンチャイムのチームは、メロディーをつくってもらい、尺八、トロンボーン、打楽器チームは、音は気にせず楽器を使ったアクションを考えてもらう。4グループ、それぞれの個性で、どれも魅力的な発表になった。野村がほとんど何も手助けしないのに、こうなっていくのは、日本センチュリー交響楽団の音楽家大阪音大の先生方がこうしたワークショップに馴染んで下さっていることと、参加者の中にもリピーターもいて、そうしたことも良い方に作用していて、初めての人も参加しやすくなっている。

最後に、前回のワークショップの題材をもとに作曲した「アリとキリギリス」をセンチュリー響のメンバーと演奏。そして、参加者の皆さんにも、これに途中から加わってもらった。

ということで、「世界のしょうない音楽ワークショップ」今年度の3回目は終了。

https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jinken_gakushu/bunka/event/a001010040010.html

明日からは、ヴァイオリンとバリガムランのための「Quartet for Lou Harrison」を作曲し、それが終わったら、「越後獅子コンチェルト」を作曲します。どちらも、1月12日の「世界のしょうない音楽祭」で世界初演になります。