野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

巨人の声を聴く方法

衆議院選挙も終わり、強烈な台風も過ぎ去る。個人的には、2009年の衆議院選での鳩山民主党が示した中国や韓国も含めたアジアの国と友好関係を築こうという政策が実現できたら良いと思っているのですが、そんな外交政策が選挙で全く語られなくなったことが、残念に思います。たった8年前の選挙で、あれだけ語られたことなのに。あの時以上に、もっと東アジアの国への留学とか視察、さらには交流を促進する政策は必要なのでは、と思っています。日本にあって中国にないものは何か?日本になくて中国にあるものは何か?日本にあって韓国にないものは何か?日本になくて韓国にあるものは何か?台湾では、香港では、などなど、東アジアにおいて日本はどんなポジションにいるのか?という現状を、客観的に見れる人材が、どれだけ育っているのでしょうか?そうした人材を育成していかないと、妥当な判断ができずに、状況を読み違えると思うのですが。国防にお金を使うと言う時、武器や軍隊にお金をかけるのも平和維持の手法の一つ、様々な方法で友好関係を築くのにお金をかけるのも広い意味で国防につながるのではないでしょうか。後者という選択肢にお金をかけるならば、武器を買う予算で、中国文化や中国語、韓国現代社会の調査や韓国語などを学ぶ人材育成に、同額のお金を使う。東アジアの平和維持という視点であれば、そうしたことを続けていくこともありではないか、と思うのは、ぼくだけでしょうか?沖縄の米軍基地が不要になる日を、長い目では実現できるのではないか、と思う訳です。そのことを、今後どういう国になっていくのか不透明なアメリカという国の言い分と折り合いをつけながら、どう実現するか、ではないのかなぁ、と思います。

東京に移動しまして、谷中の家で、山本麻紀子さん、木方幹人さんとトークをしました。空想とリアル、夢と現実、想像すること、フィクションとノンフィクション。芸術と現実。山本麻紀子という実直な生き方は、非常に希有な存在であり、非常に貴重な存在であると思うのですが、そこに価値が見出せる人は、決して多くない。しかし、そこに多くの可能性を感じます。巨人の声が聞こえる人は、そんなに多くない。どうしたら巨人の声が聞こえる人になれるのか。巨人の声へのアクセスの方法は、実は誰もが身につけられるのだ、ということを、山本麻紀子はやっているようにも思う。

「かずえつこと 即興のための50のエテュード」no.18「トランプ占い」を作曲して後、ふとんに入り、目を閉じる。ぶつぶつ物語を語ったりする間もなく眠る。