野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

日本センチュリー交響楽団とのミワモキホアプポグンカマネ

助成金の申請に関する相談に応じた後、大阪へ。

日本センチュリー交響楽団と行うmusic project「The Work」も4年目。就労支援NPOスマイルスタイルと共催。その1回目が本日。

センチュリー交響楽団の楽団員、募集で集まった若者との音楽創作ワークショップ。今回は、このワークショップ生まれたアイディアを野村が作曲して、チェロ協奏曲を作曲するという企画で、8月23日にセンチュリー響首席チェロ奏者の北口大輔さんのリサイタルで世界初演になります。

トーンチャイムで響きを楽しみながら、不思議な和音進行を作り、その後、「ミワモキホアプポグンカマネ」という謎の言葉を作り、ミワモキホ族、アプポ族、グン族、カマネ族という架空の民族の音楽をつくりました。最後に、センチュリー響のメンバーに、昨年つくった曲の中から、コラールを演奏してもらい、美しい演奏に聴き惚れた後、楽器について、色々と質問をして終わりました。

京都造形芸大を卒業された野澤美希さんより卒業論文「<社会>と対話するオーケストラへ ー日本センチュリー交響楽団music project『The Work』にみる、楽団員の変化過程とその構造」を進呈されました。オーケストラの楽団員の能力は、楽曲を再現する高度な演奏技術に加えて、複数の演奏家と「協調」し、「調和」のとれたハーモニーを創造する演奏能力、他の楽団員と「共に試行錯誤を重ねていく」能力、とした上で、この「調和と協調を実現する能力」を軸に、オーケストラの楽団員とワークショップの親和性に関する論は、帰りの電車の中で、斜めに読みながら、なるほどと思った。