野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

モアミュージック2日目

ベンによると、モアカムでの凧揚げフェスティバルに日本人が来たとのこと。あいのてさんと共演したこともあるICHIくんで、今はブリストルに住んでいるとのこと。世界は狭い。主に音楽ワークショップをするファシリテーターのためのセッション。ピートからは、「君と一緒にプレイする体験があることは、本当に大きいことなんだ。ぼくは君の話をよくして、プレイすることの重要性を語っているんだけど、君と一緒にプレイを体験したことがない人たちが、実際に体験してみることが、今日の目的だ。」と言われる。13時半ー16時半まで。最初に、鍵ハモイントロダクションで自己紹介。続いて、「せーの」と「1234」をやる。その後、初めの人を決めて、終わりの合図を決めての即興演奏などをする。休憩後は、センチュリー交響楽団との就労支援ワークショップで生まれた「地味な楽器のためのコンチェルト」を試み、「タイの村祭り」をやり、みんなでメロディーを作って演奏し、コーンウォールでの「望遠鏡の音楽」の話などをして、最後に、声と楽器と声の即興演奏をやって終わった。盛り沢山の3時間の講座。

夜は、ブラックバーンまで車で1時間近く南下し、make it upというプロジェクトのワークショップ。前半は、マットの指導で進む。サンババンド、サックス、スティールパンと3つのグループが初めて一緒に出会う日。それぞれで練習した曲を一緒に演奏する。

帰りの車の中でも、ピートと語り合う。こんなに小さな田舎町に、こんな規模のコミュニティミュージックセンターを実現したのも凄い。ワンマンバンドでのパフォーマンスも面白い。凧揚げフェスティバルも面白い。香港との交流プロジェクトも活発だ。時計台で、1時間に1曲歌をつくり24時間で24曲つくるプロジェクトもやったりする。誰もが思いつきそうなアイディアであっても、ピートの凄いところは、それを全部やってしまうことだ。資金も集め、人も説得し、自分のアイディアを妄想に終わらせずに、実現させてしまうところだ。「ピート、君はいつまでもアイディアがいっぱいで、それをやり続けていて、それは本当に凄いと思うよ。どうして、そんな風になったの?」と聞くと、「君こそ、アイディアいっぱいで、やり続けていくポジティブなエネルギーは、どうやって育ったの?でも、絶対、子ども時代の経験が、本人の自信に影響すると思うんだ。だから子どもと接する活動は、本当に大切だと思うんだ。」と言う。他にも色んなアイディアでやったことあるんでしょう?と聞き出すと、「ストリートバンド・シンフォニー」という様々なストリートバンドが、交響曲の形式にのっとって登場するパフォーマンスの話も聞かせてくれた。交響曲という形式を利用して、様々なストリートバンドを紹介するイベントを構成するなんて、本当に気の利いたいいアイディアだと思う。また、モアカムにも来たいなぁ。みんなありがとう。