野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ミエ・アート・ラボ2日目

ミエ・アート・ラボ2日目。

吉野さつきさん、中野民夫さん、野村誠による朝9:30ー17:00の濃密な時間。受講生は、昨日は50名上、今日も30名以上が参加。

朝、楽器のセッションから始まり、中野民夫さんの般若心経のギター弾き語りで合唱し、グラフィックレコーディング(松井大さん、おじょぉさん)を見て、昨日の1日からのフィードバックを促し、本日は何をするかも、昨日の話し合いでまとまらず、そこからやりましょう、と説明。

ワークショップをファシリテーションしてくれると期待して参加して来ているのに、講師が、皆さんで方向性から方針まで一から全部考えて、と丸投げするのは、講師の怠慢なのではないか?とは、さすがに言われませんでしたが、皆さん、顔には、「?」と書いてある。吉野さんが、「もやもやする人?」と聞くと手が挙がり、「ゴールが見えないと活動できない」と言われる。しかし、外交にしても、国際交流にしても、政治にしても、経営にしても、子育てにしても、ゴールはなくて、常に途中経過があって、全てはプロセスでしかなく、関係性でしかない、などと概念で言われれば、それはそうだけど、でも、そんなこと言われたって、貴重な時間を割いて講座を受けに来ているんだから、効率よく学べるプログラムを提示して下さいよ、と内心、みんなが思ったであろうことは、大いに想像できる。

でも、世の中、多様な人々が集まっていて、実は、この講座に参加している方々も、多様なのです。それぞれの方々のニーズに寄り添おうとすると、別の方のニーズに合わない。そういう状況の中、最大公約数的なプログラムに収束させてしまうことの物足りなさ、そして、その多様性の困難さを豊かさと感じられるために、その状況を参加者の方々が体感し、今日は自分たちが何を学びたいのか、何をしたいのかをシェアし、そのコンテンツ、方法、その他を自分たちで見出していく。そのためのサポートを最大限講師陣はしますから、皆さん、自分で考えてやって下さいね。あとは、くじびきでグループ分けして、そこでどうぞーーーー。

ということを、納得していただくために、講師それぞれが、ほぼ同じ内容を、それぞれの表現で伝え、それ以外の外野からも、色々な言い換えがあって、ようやくグループ活動開始。もやもやは残りつつも、徐々に、前向きに始めようという覚悟や意欲が生まれてくる時間。

その後は、グループごとの話し合い。これがいいのです。6グループあって、全部、全然違うことが始まっている。1時間くらい経って、話が煮詰まりかけた時に、鳴りものタイムを挿入して、頭で考えるのを一度休憩。踊る人もいたり、太鼓や声も楽器も交わる。

その後も、講師陣でも、活発に議論を進めながら、今日の最後の進め方などを話し合う。最後のまとめの時間、30分で、この2日間を各自が語り合うのもいいが、その前に、かなり言葉で話している時間があるから、もう意味から少し離れてもいいのかも、と提案。最後の30分は、歌を作ることに。

中間シェアリング、総当たりシェアリングなど、中野さんのファシリテーション技法によって、みんなが主体的に語れる場があって後、5分で歌詞を修正し、その後、様々な方法でメロディーを作って、それを練習して、最後、楽器を交えてみんなで歌って終了。

中野さん、吉野さん、野村と、「野」がつく3人による講座が終了。身体がボロボロになったけれども、充実感いっぱいで京都に戻りました。また、いつか何かしましょう。