野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

シンガポール2日目

シンガポールで、CCD Symposiumというフォーラムに参加しています。CCDは、Community Cultural Developmentの略らしい。

会場入りすると、Syedのパーカッションが60人分準備されている。ジェンベ、コンガ、カウベル、シェイカー、ウッドブロックなど。会場の隅の方にかたまって座っている人々がいて、主に学生さんのように見える。本日プレゼンテーションをするアーティスト達は、ひとまず自分のプレゼンの準備で、パソコンを開いて、カチャカチャやっているので、ぼくは、学生さんたちに話しかけてみることにした。最初の10人ほどの一団は、美術を学ぶ学生さんが中心。次の10人ほどの学生さん達は、今日はスタッフとして集められていて、主に演劇を学ぶ人たちだった。

朝一番のドラムサークルの参加タイムの後は、延々と20分ずつの口頭とスライドによるアーティストのプレゼンテーションが続く。ぼくは、夕方にプレゼン。鍵ハモを吹きながら、スライドを見せて、レチタティーボ浄瑠璃スタイルで、「瓦の音楽」、「The Work」、「千住だじゃれ音楽祭」についてのプレゼン。お客さん達が、爆笑してくれたし、笑顔もいっぱい見られたので、遥々来た甲斐があった。

1) シンガポールは多元的である⇒野村誠も多元的である
2) 鍵盤ハーモニカも多元的⇒色々な奏法がある⇒価値があると思ってみると、世界の見え方が変わる
3) 瓦は伝統的で歴史のある屋根材⇒楽器としては新しい
4) (大阪府から補助金が全額カットされた)交響楽団、失業中の若者は、ともに新しい働き方(生き方)を探している⇒それは、新しい社会のあり方を探しているのかもしれない
5) 排他的な社会構造⇒マイノリティとマジョリティ⇒一つの側面だけで見ると、アウトサイダーになりが、視点が複合的になれば、誰がアウトサイダーか分からなくなる⇒1010人を集めることで、音楽の中心が不在になる

福岡トリエンナーレ2009に参加していたポストミュージアムのTienが企画している展覧会がSubstationでやっていると知り、見に行く。あいにくTienは大学で講義中で会えず。

シンガポール文化政策について研究中の神戸大大学院生の南田さんから、シンガポール文化政策事情について話を伺う。