「日本センチュリー交響楽団のテーマ」の第1稿を作曲したのが2年前。この時は、大阪駅前で演奏するということで、聞くつもりのない通りがかりの人も多数聞くだろう、ということで、「日本センチュリー交響楽団」という言葉を連呼する曲を作りました。一瞬立ち止まる人にも、とにかく「日本センチュリー交響楽団」という言葉のリズムを数回は聞いてしまうくらい、執拗に繰り返す曲です。そして、それと同時に、若者たちと楽団員が、一緒に作り上げた音楽に、出会ってもらう。詳しい説明が書かれたチラシを手渡しする、という方法でした。以下の動画は、立ち上げたばかりの初年度の演奏です。
それから2年経ち、現在、「日本センチュリー交響楽団のテーマ」の第5稿として、「Overture for GEO-Opera」を作曲しています。2年間で、1−4稿まで書いたのですが、その上に上書きするように、今回のワークショップの成果が重なっています。その中には、庄内で出たアイディア、昨年のワークショップでやった「展覧会の絵」のメロディーの変形、なども、少し残っています。「日本センチュリー」というリズムも残っています。でも、今年のワークショップで生まれたハイドンの「告別」を参考にした退場だったり、イギリスの聖歌だったり、ラフマニノフを参考に創作したり、伊福部ゴジラだったり、センチュリー響の定期演奏会を聴きに行った感想だったり、アイスブレークのゲームだったり、メロディーづくりだったり、といった要素が加わっています。この音楽には、グレゴリオ聖歌という古代の音楽と、18世紀のハイドンと、19世紀のムソルグスキーと、20世紀のラフマニノフと、3年前のワークショップと、2年前のワークショップと、今年のワークショップという時間が共存するのです。そして、ワークショップを連携していたイギリスのGEO-Operaとの交流で、様々な曲ができたので、イギリスのデヴォンと、日本の大阪が共存します。今年の庄内で、お箏と一緒にやった時の名残も微かに残っているので、邦楽の響きが、少し入っています。
ということで、本日、なんとか譜面を書き上げて、発送。本番は、7月20日、豊中市立ローズ文化ホールです。客席が寂しいと、演奏する側も不安感や孤独感が増えてしまうので、是非、応援するつもりで、一人でも多くの方に見に来ていただけると嬉しいです。入場無料です。お待ちしております。
ちなみに、こちらが昨年度の発表の様子