野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

未来のピアノ

大学時代の友人、和田元子さんは、現在ニューヨークでアニメーターとして活躍されているようで、本当に20年くらいお会いしていないのですが、ご自身の発表されるアニメーション映像に、野村の「踊れ!ベートーヴェン」音源を使いたい、と申し出ていただきました。そして、実際に、できあがったアニメーションを見ると、本当に、音楽と映像がとても合っていて、嬉しい限りです。こんな再会もあるのか、と思うと、長く生きることも悪くないと思います。

我が両親も健在で、本日は父の75歳の誕生日で、元気にテレビで中日ドラゴンズを応援しているようでした。

本日も、家に籠って、ピアノの練習と調律やピアノに関する研究と6月5日の「ピアノの本音」のプログラム+レジュメ作成をしておりました。調律の手順を解説するために、実際のうなりのスピードを計算して、メトロノーム記号に書き直してみたりしました。音楽家には、こちらの方が分かりやすい。明後日は、メトロノームも持参で行こうと思います。

上野さんは「ピアノは矛盾だらけの楽器なんよ」と仰っていましたが、その意味が、どんどん分かってきます。ピアノは、フォルテを可能にするために、大きくなり、重くなり、弦の張力が強くなり、その結果、ピアノには、頑丈なフレームが必要になり、その重たいフレームの荷重を、足でがっしり支える。一つ目の大きな問題は、太り過ぎたメタボピアノの抱える問題に、どう向き合うか、ということです。

もう一つの大きな問題が、弦の張力があまりにも強いということです。細かい説明は省きますし、ここでは深入りしませんが、このため、倍音が高くなってしまうことも、ピアノ調律における大きな問題で、そのためにピアノ調律は一筋縄ではいかない。

こうした様々なことを、ごまかすのか、向き合うのか。上野泰永さんという人は、日本の滋賀県という地で、一人実直に向き合いながら、仕事を続けてきた調律師です。「未来のピアノ」というオリジナルピアノの特許も取得して、生きている間に、彼の考えた「未来のピアノ」を実現させたい、と真に思っておられます。

昼間は練習。夜は、前回の録音を聴き直し、CD「ノムラノピアノ」を聴き、本番に向けて、色々研究中です。

6月5日(日)
開場 14:00
開演 14:30
@スティマーザール(滋賀県守山市勝部5−2−62)
http://www.stimmersaal.com
前売 2,000円
当日 2,500円
ピアノ/トーク野村誠
調律/トーク:上野泰永

奥田扇久さんデザインによるチラシは、こちら
http://www.moriyama-cci.or.jp/business/press2016/image/0407.pdf