野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

きたまりタイタン

きたまりソロダンス公演「タイタン」を観に行きました。これは、マーラー交響曲「巨人」に振付けたソロダンスです。ぼくは、ドビュッシーバルトークなど、西洋音楽への出会いは、印象派以降でして、ストラヴィンスキー新古典主義から、古典派、バロックへ、さらにメシアンのリズム理論から、中世の音楽へと興味を持った、という経歴から、そもそも後期ロマン派の音楽は、そもそも自分から遠い音楽でした。後期ロマン派にカウンターとして出てきたドビュッシーなどの音楽に共鳴することから、西洋音楽に触れたのが出発点。そして、様々な民族音楽を経由して、国民楽派の作曲家たちの音楽に出会ったり、西洋音楽も色々と興味を持ったわけですが、でも、マーラーは、常に自分から最も距離の遠い作曲家であったことは事実。鍵盤ハーモニカオーケストラのP-ブロッで、音楽劇「でみこの一生」の中で、しばてつアレンジのマーラーを演奏したくらい。

ということで、マーラーにどんなダンスなのかなぁ、と思って観に行きましたが、マーラーの音楽がどうのというよりは、ダンスのエネルギーが非常によく(相撲を愛する小柄なダンサーは、本当に素晴らしい日本の宝だと思います)、ひとまず見終わったら、とにかくピアノを弾きたくなったので、終演後、すぐに帰宅し、ピアノで野村誠作曲「たまごをもって家出する」を練習する。

夜、昨日までフランス公演でパリに行っていた木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一くんが訪ねてきて、打ち合わせ。そうそう、木ノ下裕一作詞、野村誠作曲の「狸囃子」は3月27日に鳥取で、竹澤悦子さんにより再演されます。

ヘンリー・カウエルのラジオ番組を聴いた余波で、ヘンリー・カウエルを聴こう。