野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

砂連尾÷野村誠、ふたたび

今日は、鍼灸で体調を整えていただき、その後、砂連尾理さんとランチ。

砂連尾さんを待つ間、作曲家のヘンリー・カウエルの伝記を読んでいると、ついに、68年のカウエルの生涯が幕を閉じようという段まで来てしまいました。いつ命が終わってもおかしくないと医者に宣告されてから10年近く、発作の度に何度も復活したカウエルの13回目の入院が最後になり、左手が麻痺して、言葉が出なくなって、なお作曲し続けているカウエル、最後の最後にベッドに二匹の愛猫がいる様子を読みながら、泣けてきました。もう、50年以上も前の出来事ですが、500ページ以上に渡り、ずっとともにしてきた作曲家の生涯の終わりは、やはり寂しいものです。この伝記を読了してしまいました。寂しいですが、ありがとうヘンリー。

Henry Cowell: A Man Made of Music (English Edition)

Henry Cowell: A Man Made of Music (English Edition)

その後、砂連尾さんとランチ。いつも励ましていただき、有り難い友人です。ダンスとか音楽の話をするというよりも、なんだか息をするとか、生きるとか、存在するとか、神様とか、そんな話をしているのだと思います。「砂連尾÷野村誠」という催しをしてから、何年か月日が流れましたが、「砂連尾÷野村誠」をする日が、また近づいてきているようであります。

2月4日の「千住だじゃれ音楽祭 第2回定期演奏会『かげきな影絵オペラ』」に向けて、今日は溝入敬三作曲の三味線オペラ「猫に小判」の譜読みをしました。竹澤悦子さんと共演させていただくのですが、名曲であります。