野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

たたいたたたいたたいこをたたいた

通崎睦美さんのコンサート「今、甦る!木琴デイズ『オンガクの時間』」を京都文化博物館の別館ホールに聴きに行く。彼女が京都芸大の学生だった頃、ぼくは京大の学生で、様々な現代音楽や即興音楽を模索していて、彼女と出会って25年ほどの月日が経つのに、今なお新しい活動に取り組んでいるのは、同世代として本当に嬉しいことであり、良い刺激を受けます。彼女の著書「木琴デイズ」は本当に、どこを読んでも面白く、一度、彼女の木琴コンサートを聴きたいと思っていましたが、なかなかスケジュールが合わず。インドネシア公演が延期になったおかげで、本日、行くことができました。

アタックの強い木琴と、持続音のアコーディオンのデュオは、木琴がメロディーでアコーディオンが伴奏という形のアンサンブルで、同じ持続音でも木琴とリコーダーのデュオになると、リコーダーがメロディーで木琴が伴奏ないし、低音の声部という感じの曲目で、木琴の役割も色々変わります。マリンバよりもアタックがくっきりしていて、ああ、故き高田和子さんと通崎さんの三味線+木琴のデュオに、曲を書きたかったなどと故人を偲ぶ。クシコスポストラヴェルバロックから、伊左治直さんの「スパイと踊り子」もようやく聴くことができましたし、アコーディオンの松原智美さんのソロで当摩泰久さんの新作初演も聴くことができ、コンサートを堪能。

その後、京都芸術センターにて、音響彫刻の展覧会を見て、というか叩きまくって、擦りまくって、音を楽しんで後、美術家の伊藤存くんとバッタリ会い(今から、薮内美佐子さんらとやってるバンドの練習だそうだ)、アートスペース虹にて、高井道夫展で解体された段ボールと貝殻に描かれた絵を見て、虹の熊谷さんより12月に出展することになった「カレンダー展」の台紙を受け取り(ぼくは何を描くのか?)、家に戻る。

夜は、ガムラン。子どもガムランでは、1ヶ月前(10月7日)に作った59曲目の「ガムランだいすき いや違うな」を演奏して後、新曲をつくる。

62曲目は「ゴナンとマンガス」。むく君が読んでいる絵本が題材らしい。ゴナンなので、ボナンという楽器で5を鳴らすところから始まる。5を2回鳴らすと、色んな楽器をメチャクチャに鳴らし、怪獣の暴れている様子を表現。終わりは、ボナンで6を2回鳴らすとおしまい。

63曲目は、「とらとらのすけ君」という曲。これは、ボナンを6・5と鳴らすと始まり、途中はトラの怖い感じで、太鼓を強くならし、クノンも強く鳴らす。ゴンも強く鳴らす。他は普通。最後はボナンが2・3と鳴らすと終わり。確かにトラっぽくなった。

64曲目は、「ブタブターゴリラ」という曲。初めは、ボナンを6と高い1を同時に鳴らして始まる。すると、ゴリラチームが、自分の楽器を演奏。ブタチームは自分の楽器を演奏したら、どんどん右回りに移動して楽器を変わっていく。一巡して元の楽器に戻ったら、今度は、ブタチームが自分の楽器を演奏し、ゴリラチームが左回りに楽器を移っていく。最後に、ボナンが1と高い6を同時に演奏したら終わり。これは、2チームに分かれることで、持続する楽器と変化する楽器ができて、構成されていて、意外によくできている。すー君のアイディア。

65曲目は、「たたいた たたいた たいこを たたいた」。これは、最初、ボナンは、高い5と6を同時に鳴らす。すると、ボナンは、35 23 32(high) 56とやり、サロンは、12351(high)を繰り返し、太鼓だけ自由。太鼓は子ども、残りは大人が担当。終わりは、ボナンで高い1と高い3を同時に鳴らして終わり。むく君がかなり作曲。

その後、約1年前に作った16曲目の「いちごーな」と17曲目の「なんでやねん」を演奏。

大人ガムランでは、スウェーデン美術大学で京都に研修旅行に来ているヨナスが来て、左京区ホーメイチームと遭遇して、ガムランのディープな即興。