野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

天台声明の夕べ

冬に着る服が、ボロボロなものばかりで、買い物に出かける。妻にいろいろ選んでもらい、幸い良い物を見つけることができる。楽器屋さんで、最近発売になったカワイのアップライト型のトイピアノを試奏させてもらう。音色が従来のグランド型のトイピアノと違うので、併用も面白そう。今度、買おう。

その後、「天台声明の夕べ」を聴きに行く。声明が、パーカッションや篠笛とコラボレーションするという内容でした。色々、考えさせられました。久しぶりに、1958年に黛敏郎が作曲した「涅槃交響曲」を聴いてみたくなり、YouTubeで探すと、追悼演奏会の映像がありました。この世代の作曲家たちが、日本の伝統音楽と西洋音楽をどう両立させようとしていたかの実験は、きちんと財産として継承していく必要あり、そして、それから57年経った21世紀に生きている我々としては、50年以上前に黛敏郎が試みたことでは実現できなかった地平とは何かを、考える必要があると思います。2楽章のお経の合唱とオーケストラの掛合いは、10分すぎ頃から。声明風の6楽章は32分頃から。そして、この作曲家が、晩年には「日本を守る国民会議」などの活動を始めるわけですが、安保法案、憲法改正など現在の日本政府の動きを見ながら、黛敏郎がどう発想したのか、きちんと知っておきたい、と思いました。



ちなみに、同じ天台声明でも、比叡山の系統と、三井寺の系統では、違うらしいのですが、以前、ながらの座・座にて、三井寺のお坊さんたちによる天台声明のライブも行われておりました。

こちらも参照しておきます。


明日の宣伝

11月7日、勝野タカシさんとのライブ。これからリハーサルに行ってきます。勝野さんの新曲は、「のびたのうた」と「それから」。「のびたのうた」はドラえもんの視点からのユニークな歌詞。かつてバンド「チルドレンズクーデター」にも在籍していた勝野さんは、今でも子どもの精神を持ち続けて、本当に子どものクーデターを続けている存在です。

11月7日
カフェ・ザンパノにて、勝野タカシ+野村誠デュオします。
とても良いカフェです。ご飯もおいしく、読書も楽しく、飲み物も雰囲気もよいお店です。
19時オープン、20時スタート
チャージ1,500円です。よろしければ、是非お越し下さい。
京都市左京区田中里ノ内町81 宮川ビル2F
075・721・2891