野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

アラブ音階のジングルベル

久しぶりに、朝ゆっくり寝て、起きたら、「越後獅子コンチェルト」の作曲作業。地歌越後獅子」の「前歌」部分を、とりあえず、三味線と歌に新たなピアノを加える(手付け)という形で、どんどん譜面を入力していく。とりあえず、半分くらいまでできたところで、譜面をプリントアウトして、「越後獅子」の演奏のDVDに合わせてピアノで共演して、確認する。老人ホームREMIX以来、映像に合わせて演奏するのが、結構慣れているので、手際よく進む。チェックして後、また続きを書き進める。食べるのを忘れて作曲しているうちに、本日のライブに出かける時間になる。

cafe ZANPANOに出かける。勝野タカシさんとの「宿題とあそび」第9回。今回のゲストはやぶくみこさん。宿題は、勝野さんの新曲「なぞなぞ」と、やぶさんの「ふしぎなかげ」をやることに。そして、あそびとしては、やぶさんの楽器を特定することで、3つの方向性を明確にして、やりました。グンデル(ガムラン)との非常に瞑想的なサウンドの音楽。そして、やぶさんのダルブッカとのエネルギッシュで躍動的な音楽。そして、やぶさんの小物楽器とのおもちゃ箱を広げたような音の遊戯の音楽。

本番で、ダルブッカとの共演中、勝野さんのフレーズが、一瞬「マイムマイム」のように聞こえて、そこから、野村が「マイムマイム」のフレーズを即興の中に引用し、そのうち、それが、アラブ音階の「ジングルベル」へと展開しました。イスラム世界とキリスト教世界の間で、大小様々な紛争がある中、アラブ音階のジングルベルは、宗教間や民族間の紛争のなくなる日のための祝祭の音楽のような気がしました。そんな宗教や文化なんて気にしない子どもが、最前列で踊りまくってくれたのが、何よりでした。

深夜12時に帰宅後、とりあえず、「越後獅子コンチェルト」の作曲を少し進めるべく、書き始め、気がついたら、3時で、寝床につきました。