野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

パンに思う

京都は葵祭で、微妙な天気でしたが、なんとか持ちこたえている模様。

こちらは、そうした人混みへは向かわず、本当に久しぶりに、近所のパンとごはんの店、AOWに出かけて、店主のアキさんと話し込む。アキさんは、タイのパーイという町に8年住んでいたことがあり、タイで美味しいパンが食べられないので、気がつくと自分でパンを作っていて、その流れで、今、パン屋をやっているのだが、本当に美味しい。ドイツやフランスで修行して、美味しいパン屋になったのではなく、タイでパンに目覚めたのが面白い。

ドイツやフランスに留学して、西洋クラシック音楽の名手になる人がほとんどだろうが、タイやインドネシアに住んでいて、西洋音楽に目覚めて、西洋クラシック音楽の名手になる、という人が現れても面白い気がするが、まだ、そうした例には出くわしたことがない。

アジアで誕生したAOWのパンは、丁寧に繊細な天然酵母を育ててつくる本当に美味しいパンで、西洋の食文化であるパンがアジア化/日本化して、本家よりも美味しくなっている本当に好例だと思う。こうしたパンのような西洋クラシック音楽を、日本人はやり得る可能性を持っているので、自分たちの感性/感覚を活かして、やっていければ良いのだろう、と思った。

ちなみに、アキさんからは、美味しいパンをいただくのみでなく、左京区界隈の最近の面白いエピソードを数多く聞いて、笑わせていただきました。