野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

だじゃ研とマネジメント隊

東京は千住にやってきました。昨日書き終えた「千住の1010人」の譜面を持って、東京藝大千住キャンパスのスタジオAに。だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)のメンバーは、千住フライングオーケストラのメンバーでもある伊原さんの新作だじゃれ音楽「ドローンでおどろーん」を演奏していた。だじゃ研のコンマス的存在である小日山さんが、「史上最大の足立市場」(だったかな?)の歌詞を歌にしていて、それを弾き語る。本日欠席の三宅さんが作詞/作曲したサバのだじゃれソングもある。鼓の小川さんが、「スッポンポン体操」なるものを考えてきた。だじゃ研は、だじゃれ音楽の研究機関として、ますます専門性が高まっている。即興演奏をし、作詞/作曲をし、楽器をつくり、譜面も演奏し、ユーモアを解し、だじゃれを連発する彼ら/彼女らは、少なくとも1969年〜1974年にロンドンで集っていたスクラッチ・オーケストラに匹敵する(或は凌ぐ)創造的な音楽コミュニティを形成している、と思う。

野村新作も、指示書きに従って音に出してみる。1,010人を想定した音楽を、20名ほどで演奏。メメットの新作も、冒頭部分のみ音に出してみる。この20名は、野村やメメットの音楽を、すぐに把握していく柔軟さが並大抵ではない。この20名で共有している感覚を、今後どうやって1,010名に開いていくのかが、その後、千住だじゃれ音楽祭マネジメント隊との濃厚なミーティングだった。

1年前に、「千住万歳」の最後の「三番叟ー鈴の段」で蒔かれた種が、芽を出してきている。これから2ヶ月半、ぼくは千住を離れるが、この夏の間にこれらの芽は大きく成長し、秋に戻ってきた時には、収穫祭が待っている。三番叟で祈った五穀豊穣、今も祈っております。