野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

砂連尾は傑作を作る

甘夏ハウスを訪ねて、アドココ葉月さんと楽しく語り合う。話しているうちに、子どもの教育の話にもなり、自分達で学校作りたい気持ちになるなぁ、と話す。学校教育を政府や教育機関に委ねている場合じゃなく、自分達も教育に参加していき、教育ももう少し自給自足できないものか、とか考えると、学校作った方がよくなる。タイでアーティストが全科目教えるパトラヴァディスクールとか、ジョグジャの貧乏な家庭の子どものための実験的な教育を行うマングナン小学校など、色々、日本に紹介したい。

その後、砂連尾(じゃれお)理(おさむ)さんと打ち合わせ。1月21〜23日の伊丹のアイホールでの公演について。ここでは、野村誠のドキュメンタリー・オペラ「復興ダンゴ」の再演もありますが、砂連尾さんの新作「家から生まれたダンス」の世界初演もあるのです。

この新作は、これまでの練習で部分的には試していたのですが、本日、作品の構想をさらに具体的に聞きました。どうやら、スゴイ傑作が生まれている、ということが分かり興奮しました。傑作は、捻り出すものではなく、ツルツルとスルスルと生まれてくるようで、現在、生まれている最中のようです。この振付家は、人当たりの良く優しい人ですが、面白い人で、独特で変人です。この振付家は猫をかぶることもできる人で、よそ行きの作品も作れる人なのですが、今回は猫をかぶる気は全くないことも、分かりました。猫をかぶりたくなる誘惑を振り切るために、野村誠を共演者に指名したのかもしれません。

「復興ダンゴ」とは全く違ったテイストの、本当にヘンテコリンで美しく面白くユニークな、バカバカしい魅力的な作品になります。ダンスと音楽の魅力を最大限にいかすためのワクワクするアイディアが、どんどん湧き出てきております。これから、こうした現場にいられるのは、面白過ぎるので、今後のリハーサルや打ち合わせの貴重な時間を、最大限味わおうと思います。その時間を満喫すると、きっと傑作が出現してくるのでしょう。ああ、楽しみ。

http://www.aihall.com/lineup/gekidan76.html