野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

文楽

1月の公演で9割客が入らないと大阪市からの補助金がカットされる文楽を観に行きました。正月早々は満席だったり、土日は比較的集客しやすいとして、平日も含めて9割というのは、なかなかハードルが高い条件だと思います。今日の客席もかなりの賑わいでしたが、9割には満たない感じだったので、心配ではあります。

公演の方は、10年以上前(2000年)に、田中悠美子さん(太棹三味線)+片岡祐介さん(木琴)+野村誠(鍵ハモ/鉄琴)で演奏した「猿回し」が上演されたり、故き高田和子さん(三味線)と高橋悠治さん(作曲)が結成したグループ「糸」の最初の演奏会のプログラムにあった「阿古屋琴責」の上演もあり、色々、懐かしく楽しみました。

糸

「堀川猿回しの段」を見ていたら、最後に「家をさるまわし」という台詞があって、「家を去る」と「猿」をかけた駄洒落になっていて、この駄洒落を言いたいために作った物語なのかぁ、と驚きました。

名古屋弁で、「ちゃーっと」(=急いで、すぐに)という言葉があるのですが、文楽の中で、何度も出てきます。江戸時代の上方の言葉が、名古屋では現代でも使われているのかなぁと、名古屋出身者としては、嬉しい気持ちになりました。

大阪での文楽公演は1月26日まで続くので、補助金カットを阻止するためであろうと、なかろうと、お時間があれば行ってみると良いと思います。
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku.html

ちなみに、黛敏郎のチェロ曲でも、Bunrakuってありましたね。どんな曲だったっけ。