野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ご近所づきあいと共同作曲

本日は、友人の引越でした。同じ区内での引越ですが、真夏の猛暑の中の引越は大変そうでした。猛暑のため、庭の土をプランターに入れる作業も、少ししか進みません。暑いときは休むに限ります。

洗濯物があっと言う間に乾きます。洗濯物を干しながら、タイの録音を聞いております。樅山智子さんの10年前のレポートの長いバージョンを送っていただき、そちらも読んでおります。色々、勉強になります。

西洋音楽の一人の作曲家による「作曲」では、作曲家の作った作品には、他人は口出しをしません。そこは、口出しをすると、過干渉であって、余計なお節介です。一方、インドネシアだと、一人の作曲家の作品であろうと、みんなが「こうしたらどうかなぁ」と提案していきます。自分の作品/他人の作品という明確な境界線がなく、全てがある種の「共同作曲」になります。誰の作品であろうと自分のもののように親身になって、一緒に作ろうとします。ぼくは、こうした人間の距離感で音楽や人と関わってきたから、「共同作曲」を指向するのかもしれません。しかし、空気が読めないと、かえって迷惑になりますし、「共同作曲」は他者との距離の取り方が大切です。ついつい余計なお節介をし過ぎると、傷つけ合うことになるし、しかし、全く踏み込まないと当たり障りのないコラボレートになる。

夜には段ボールが山積みになっている引越した友人の新居も初訪問しまして、引越祝いの乾杯をし、段ボールの中での宝探しをするなど、子どもに遊んでもらったりもしました。真夏です。しかし、新生活が始まるエネルギーは良いもので、手伝わせていただいて、こちらも良いエネルギーの交換ができ、感謝です。

家に帰った後、別の隣人が訪ねて来て、まぁ色々と語り合って、気がつくと夜が更けていきます。ご近所付き合いな日々です。