野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

民族音楽学の授業にて

シラパコーン大学のアナンの授業に行きました。とにかく、今回のバンコク滞在は、アナンとのコラボレーションなのですが、アナンと一緒に授業をすることで、アナンとのコラボレーションができる、ということが分かってきて、積極的に彼の授業にも参加することにしました。2時半〜が「ワールド・ミュージック」の授業ですが、タクシーの運転手が、シラパコーン大学の別のキャンパスに連れて行こうとしたため、30分強遅刻。20人ほどの学生。冒頭で自己紹介代わりに即興演奏をして、最後には、ピアノを弾きながら語りました。「どこへ行こうとしているのか、目的地が分からない。今日のタクシーの運転手も、即興演奏も、今日のこの授業も、どこへ行くのか分からない」。真面目な話になると、学生の集中力が欠けるので、アナンはぼくの話したことに何かを付け加えて、学生を笑わせていました。

6時半からは、「民族音楽学」の授業。こちらは、100人ほどの学生。どうやら笑いが重要らしいので、アナンがぼくを紹介し始めると同時に、「すみません、ちょっとトイレ行ってきます」とトイレに行き、アナンがぼくをタイ語で紹介しているのに合わせて、「カップカップ、チャイ、チャイ、チャイ、カッポン、カッポン」と、意味が分からないのに、相槌を入れると、漫才のようになって、笑いがとれた。このまま、調子にのって、自己紹介の即興演奏でも、色々、暴走して、その後、学生たちと「1234」や「手拍子のロンド」など即興的なアンサンブルを楽しむ。その後、アナンが「あいのて」の映像を紹介するが、ルリアちゃんが「すごーい」と言うだけで、学生がどよめく。可愛い女の子に反応しているのか、日本語に反応しているのか?最後に、ピアノで33年前の作品「たぬきときつね」を演奏して、終了。とにかく、タイ人は楽しむことや笑いが好きなようで、ジョグジャの人はそれに比べると、美しいこととかが好きだったなぁ、と思う。

これで、バンコク30日のうちの前半15日が終了。濃密だったので、15日の成果は十分あるとも言えるし、当初予定していたことが、全然計画通りに進んでいないので、遅れているとも言える。後半の15日をどう過ごすのか、いろいろ考えないと。