野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

春の玉川上水、RISTEK、「踊れ!ベートーヴェン」の縁

昨夜、ホテルでやることなくて、暇だったので、ピアノのための9つの小品「アーツ前橋」の作曲に着手。1曲目の「春の玉川上水」作曲完了。2月の前橋でのワークショップのDVDを見て、混沌な音の中から、いくつかフレーズを抽出。いい曲ができました。東南アジアにいるうちに、全9曲を書きたいなぁ。

本日は、朝から官公庁巡り。6:40に起きて、7時に朝食。タクシーで、調査技術省(RISTEK)へ。RISTEKって何かと思ったら、リサーチ(RISET)とテクノロジー(TEKNOLOGI)の頭文字をとって、RISTEK。タクシー代は、インドネシア語講座と考えて、車内では喋りまくります。テレビ番組で「才能を探せ」ってやってたね、と始めて、トヨタ自動車が「子どもとアーティストの出会い」をやっている話もしました。

RISTEKで色々書類の手続きする。入国管理局→警察、という予定だったが、警察は2時に閉まるので、先に行くように言われる。また、入国管理局でKITASという許可証を発行してもらうのだが、ジョグジャでも手続きができる(その方が出国の手続きがうまくいく)ので、ジョグジャの入国管理局での手続きに変更してくれることに。ということで、警察に行って手続き後、入国管理局に変更の書類の申請に。

ということで、計3回のタクシーでの移動。途中は、何度もどしゃぶりの雨。雨季は終わっていない。しかし、幸いにも、こちらが歩く時に限りやんでくれて、濡れずにすむ。タクシーの運転手に放射能の話をしたら、「日本は放射能の問題があるけど、インドネシアは洪水の問題があるからねー」。

なんとか書類の手続きが終わり、4回目のタクシーに乗る気になれず、バスを利用することに。トランスジャカルタというバスレーンを走る路線バス。途中の乗り換えなども、聞くとみんな親切に教えてくれる。前の方の座席が空席があるし、座ろうと思って行くと、女性ばかり。おかしいな、とよく見ると、女性専用エリア。座りかけて気づき、慌てて立つ。バス代は、約35円。

夜は、ジャカルタ在住の日本人の方と久しぶりの再会。と思ったら、既にインドネシア国籍になっておられるそうで、正確には、元日本人の方とお会いした。17年前、初のインドネシア滞在の時、ジャカルタでお宅に泊めていただき、小学校でのワークショップの送迎から通訳、食事から洗濯まで、生活全てにおいてお世話になったお方。ほぼ初対面の方のお宅に、ホームステイ1週間、お宅で電子キーボードを弾いたのも、オリンピックの観戦をしたのも、良い思い出です。子どもとのワークショップがうまくいったのも、ジャカルタでの「踊れ!ベートーヴェン」の成功も、この方の存在が大きい。あの当時、ガムランに関する論文とか、手に入りにくい色んな文献なんかも、斜めに読ませていただき、居候しながら勉強させていただきました。ゆっくりお話するのは、あれ以来。月日の流れとは、不思議なものです。懐かしく色々なお話をしました。

当時、破れたジーンズで演奏する姿を見て、彼女のパートナー(=優れたエンターテイナー)が、あのジーンズにサインして欲しい、代わりに一着買うから、と言われて、ジーパンを交換した。彼は、現在単身赴任で、スマトラで幼稚園を経営し、さらには、障害児との活動も始めているらしい。障害児との活動が凄く楽しいとのこと。あれ?ジョグジャでジャワ舞踊を学んだ人も、その後、障害者と踊り、独自の舞踊を築いていた。全然つながらないと思ったところが、また結びつきそう。スマトラの幼稚園で、障害児とのワークショップをする日が、そのうち来るのかな?不思議なご縁は、まだまだつながっていきそうな予感。というか、つなげていってる気もしますが、、、、。