野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

小島剛と子どもたちの共犯関係

大阪市大で、アート&アクセスのフォーラムというのがありまして、豊崎東小学校の子ども達との熱帯音楽祭のワークショップの成果を発表し、それに基づいてのディスカッションをしました。

発表した曲は5曲で、高学年の3人だけでの「スーパートリオ」、低学年の11人を加えての「キンコンカンコン」は、ガムランでの作品。その後、「スイッチ」、「フルーツバスケット・オーケストラ」の2曲は、観客も加わっての参加型でのゲーム。そして、最後に、再び子ども達だけで「76325673」を演奏。

さて、今回のフォーラムに、音楽家の小島剛さんが参加するということで、せっかく小島さんが参加するのならば、是非、豊崎東小の子ども達が、小島さんと共演できるといいな、と思い、小島さんにお願いしたところ、ご快諾いただきました。で、小島さんと子ども達が共演するのだと思っていたら、実は、共演というよりは、共犯だったわけです。

初対面の小島さんは、子ども達と会場から外に出て、打ち合わせ。その結果、出てきたアイディアは、お客さんから見えない所で楽器を鳴らして、その後、全員が楽器を持って観客の前に登場。さて、誰と誰が音を出していたでしょう?というクイズだったのです。これはクイズですから、誰かと誰かが音を鳴らせば良いわけです。ところが、それだけのクイズの問題にも関わらず、子ども達は即興でなかなか良い音楽をしていたのが、印象的でした。せっかく、大阪市大まで出向いてくれた子ども達に、何かプレゼントしたいと思っていたので、素敵な小島さんのワークショップを体験してもらうことができて、嬉しかった。

それにしても、ガムランの演奏を教えたわけでもないのに、彼らは随分とガムラン演奏が上手になってきています。フルーツバスケットでの指揮も、みんなが上達してきています。これを続けていくと、遊びながら、演奏や指揮の能力は確実に上達していき、何年か経つと、すごいことになりそうです。

その後、低学年の子ども達は帰ったわけですが、トークセッションには、6年生の川端くんと吉井くんの二人が加わり、愛知大学吉野さつきさん、音楽家の小島剛さん、さらには、ジャワ舞踊の佐久間新さん、大阪市大の先生なども加わって、話し合いました。6年生の二人と、こういう形で話し合えたのは、大きな一歩ではありました。

その後、新聞社の取材を受けました。「原発やめます」について取材されたのは、初めてです。プロフィールに「原発やめます」と書いてきましたが、プロフィールから削除して下さい、と言われたことはありました(丁寧にお断りしました)が、取材させて下さいと言われたのは初めてで、こうした反響は嬉しいです。

吉野さつきさんが、我が家に泊まりに来まして、自宅でフォーラムが続きました。