野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

だじゃれ音楽リハーサル

東京に遠征中です。東日本大震災から明日で2年。2年前は、インドネシアジョグジャカルタにおりました。震災から5ヶ月後に帰国し、千住で「だじゃれ音楽」を提唱して、早1年半。千住だじゃれ音楽祭「音まち千住の大団縁 第1回定期演奏会」まで、あと6日。今日は、いよいよ直前の大事なリハーサルなのです。

目一杯入れても、定員250名ほどの会場に、申込み多数で、既に満席状態です。当日は、それ以外に、千住の4つの商店街のスピーカーからコンサートの模様が放送され、北千住駅前の大画面にて、途中1時間の中継が行われたり、それ以外にも、当日、予約なしでホールに入れない人が見るためのモニター中継も用意されることになりました。ということで、コンサートの模様が、町に飛び出すイメージであります。

さてさて、本日のリハーサル会場は、コンサート会場と同じ東京藝大千住キャンパス第7ホール。ビッグバンドのための「ドミノだおし」は、30名強のメンバーが集まりました。サックス、クラリネット、トランペット、フルート、テューバ、チェロ、コントラバス、ギター、様々なパーカッション、リコーダー、鍵ハモ、手作り楽器など。このビッグバンドも、なかなか良いアンサンブルなのです。

本番前で、完成度を高めていく時期で、いろいろ段取りなどを整理することが大切になってきます。しかし、1年前の「風呂フェッショナルなコンサート」の時、集った人々が笑顔で湯船に浸かりながら音を楽しんでいた光景のことを、ふと思い出すのです。やっぱり、あんな笑顔があるといいよなぁ、と。で、そんなお話をしてからリハーサルを開始しました。

そうやって始めた「ドミノだおし」では、ビッグバンドの音の響きとグルーブ感を楽しめたように思います。そして、一年前のお風呂で生まれた合唱のための「ケロリン唱」も、半年前に、あだちグルットウォーキングで生まれたリコーダーアンサンブル「笛るマータ」も、本当に凄いサウンドをしていました。「笛るマータ」の響きは、本当に凄かった。これは、なかなか生じゃないと体験できない響きです。

梅津和時さんが提案してくれた新作だじゃれ音楽「まちまちマーチ 待ちくたびれて」は、前回の時点で、面白くなる予感がするくらいのところで、留まっていました。今日は、コヒヤマさんが小道具をいろいろ制作してくれたおかげもあって、なんだか本当に面白い、風通しがいい音楽になっていました。この曲、何度やっても楽しいなぁ。

漫画ミュージカルの挿入歌の練習もしました。「おんぷ」、「千住の1010人」も、ワークショップなどで生まれた歌です。千住に何度も通った間に、一体、何度だじゃれを言い、何曲作ってきたのでしょう?

こうやって練習しているうちに、足立男声合唱団の指導者でもあられるテノール歌手の中原雅彦さんと、義太夫三味線の田中悠美子さんが到着されました。田中悠美子さんとの「千寿万歳」を練習する前に、だじゃれ音楽研究会メンバーと、田中さん、中原さんが絡む場面の練習。中原さんには、急遽、追加でご登場いただく場面ができまして、しかし、ノリよくお引き受けいただき、ますます楽しいのです。

中原さんの歌による「千住の先住民」も、始めて聴かせていただきました(ぼくはピアノの伴奏をいたします)が、本当に素敵な歌声で、歌詞の内容がダジャレであることを忘れてしまうような感覚に陥りました。

田中悠美子さんとの「千寿万歳」は、本当に一緒に作っていく作業が楽しいのです。コンビ名つけた方がいいんじゃないですか、と言われましたが、回を重ねることで、息があってきて楽しいのです。

こんな具合に、リハーサルを終えて、明日は、ヴァイオリンの松原勝也さんと映像のための「だじゃれは言いません」のリハーサル。疲れたけど、充実の一日でした。と思ったら、三浦正宏さんから、当日流す映像用に、インタビューをと言われて、だじゃれ音楽について語りました。この時期に、だじゃれ音楽について、もう一度言葉にする時間を持てたのも良かった。

半年前のインタビューも、もう一度読み返しておこう、と。
http://www.cinra.net/column/otomachisenju03-nomura.php

1年前の日記も読んでおこう。一年前の今日も、千住でリハーサルをしていたのです。
http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20120310