野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

だじゃれは言いません

千住でホテルをチェックアウトした後、芸大の熊倉研究室に荷物を置かせてもらって、千住の町を少し歩く。3月16日のコンサートでの演目「まちまちマーチ 待ちくたびれて」で登場する地名のうち、ミリオン通り商店街と、足立市場には行ったことがないので、一度、行っておきたかったため。また、田中悠美子さんとやる「千寿万歳」に、千住の名所を色々盛り込んだので、千住大橋や、やっちゃばだった通りなど、実際にその場に行きたくなったのだ。また、「千寿万歳」は、音楽であり、言葉であり、神事でもあるので、やはり地元の神様に一度ご挨拶をしておく必要があるだろうと思い、神社にも行くことにした。

ということで、ミリオン通り商店街を通り、仲町氷川神社にお参りし、やっちゃば、松尾芭蕉像、足立市場(そして、市場の中の干潮金刀比羅宮にもお参り)、千住大橋と巡ってきました。神社でお参りしながら、ああ今日は3月11日なのだなぁ、と思いつつ。

芸大に戻り、芸大教授でヴァイオリニストの松原勝也さんと映像が共演する「だじゃれは言いません」のリハーサルに立ち合う。練習の回を重ねるごとに、映像の中の言葉とヴァイオリンが見事なシンクロ具合で、いやぁー、松原さんの演奏は素晴らしい。この素晴らしいヴァイオリンの超絶演奏が、だじゃれに関する言葉と共演しているのですが、あまりにも見事に美しいので、聞き惚れる。言葉の意味を考えると、途端に演奏できなくなる、と松原さん。音楽と言語では、やはり別の脳を使っているのでしょうか。右脳と左脳の違いを、まさに意識した瞬間とのこと。

3月16日のコンサートの打ち合わせ。三浦さんの映像が徐々にできてきていたり、本番が徐々に見えてきています。予約申込みは〆切ましたが、当日、立ち見席もあり、ロビーにモニターを設置し、中の様子が見られるようにするので、見たい方は当日、会場に足をお運び下さい。

新幹線の車中で「千寿万歳」の譜面を書き直して、京都に帰ってきました。京都は寒いなぁ。