野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

肩たたき+リコーダー+ガムラン+だじゃれ

「千住だじゃれ音楽祭」は、東京芸大千住キャンパスをメインの会場として展開していこうと考えております。秋に、足立智美さんが足立市場(魚市場)でコンサートをしたり、大友良英さんが荒川河川敷で凧をあげてコンサートをしたりしていて、町中企画も充実しているので、では、ぼくはどこを担当しようか、と考えた時に、千住の街の中で一番興味を惹いたのが、芸大でした。もと小学校の校舎なのですが、小学校時代には開かれていた門のほとんどが閉鎖されています。何となく、ここに芸大生も芸大の先生も、そうでない人も集って、だじゃれを言いながら音楽をする場が生まれたら良いなぁ、というのが、ぼくの妄想です。この妄想を実現すべく、準備中です。

今日は、東京芸大内を色々、見てみました。講義室やスタジオなどもいいのですが、それよりは、屋根とか倉庫とか階段とか、あまり使われていない隙間なスペースが色々あり、そこが何とも魅力的でした。こうしたスペースをどう活用できるのか、まだ分かりませんが、いろいろ活用できたら良いなぁ、と思っております。

今日は、「子どもだじゃれ音楽ワークショップ」でした。当初、お昼の開催を予定していたのですが、偶々、同じ時間に「ガムランのワークショップ」がダブルブッキングされていまして、せっかくなので、そのままガムランを活用させていただくことにしました。ということで、本日のワークショップは、「だじゃれ+ガムラン」になりました。8月に大阪で行った「熱帯音楽祭」のワークショップで、子どもたちとガムランをやって以来です。不思議にガムランとご縁があります。

「笛で肩たたきをしたい」という子どもの言葉を拾ったところから、肩たたき+笛の演奏になり、さらに、肩たたき+笛+行進になり、肩たたき+笛+行進+いろいろな楽器になり、肩たたき+笛+行進+いろいろな楽器+ガムランになり、最終的には、「肩たたき+笛+行進+いろいろな楽器+ガムラン+だじゃれ」になりました。そうやって出てきたダジャレからガムランのスレンドロ音階の歌が生まれました。ガムランなのに、わらべ歌のような音楽になりました。

それにしても、男の子のダジャレへの積極性と、女の子の消極性が顕著に出ました。ダジャレというのは、おやじ以前に、子どもの時点でも男が圧倒的に好むものなのでしょうか?だじゃれとジェンダーについて、考えさせられました。

ちなみに、野村誠の最初のガムラン作品「Jogetlah! Beethoven」(1996)の音源は、ここで聴けますよ(吹奏楽+ロックバンド+2台ピアノによる「でしでしでし」(1995)の音源も聴けます)。
http://www.myspace.com/makotonomura/music/songs/jogetlah-beethoven-63875327


だじゃれ音楽についてのインタビューはこちら
http://www.cinra.net/column/otomachisenju03-nomura.php?page=1