野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

こども”はなうた”グランプリ

岐阜の「昭和技研株式会社 おもひでや」の企画による「こども”はなうた”グランプリ」の審査員をあいのてさんでやりました。この「おもひでや」という会社のことを、それほど良く知っているわけではありませんが、要するに産業廃棄物の処理をしている会社が母体になっていて、ゴミの処理をしているうちに、ゴミの中にある「思い出」というものに着目して、ゴミの中から「思い出」をどうやって抽出するかを、仕事(プロジェクト)として考えている会社です。

http://www.mirai.ne.jp/~sho-wa/omohide/

一方、あいのてさんも、ペットボトルとか、レジぶくろなど、ゴミになる物を、楽器として演奏したりしています。鍵盤ハーモニカの多くも、小学校1、2年生が終わると押し入れに眠り、さらにはゴミとして捨てられている楽器だからこそ、この楽器に着目したところはあります。

そんな「おもひでや」が、子どもの鼻歌を取り上げるコンテストを提案してくれました。子どもの鼻歌は、その場で作詞/作曲され、ほとんどが二度と聴かれることがなく、葬り去られていきます。そこに価値を見出して、記録して、後世まで残そうとする人は、滅多にいません。そこに着目したところが、このコンテストの面白いところ。

受賞式に、実際に受賞者が来て、自分の鼻歌を聴きながら照れ臭そうに顔を手で隠したり、嬉し恥ずかしそうに賞状を受け取ったり、とても良い光景でした。まさか再現可能とは思えなかったノイズ系鼻歌を、見事に再現してくれたのにも、びっくり感激しました。

昨日、丸一日かけて、グランプリ作品のバックトラックを、あいのてさんでレコーディングしました。普通は、既成の曲のカラオケを作って、そのカラオケに合わせて、既存の曲を歌うわけですが、全く逆のアプローチで、オリジナルなアカペラの鼻歌に対して、ぼくらがオケを録音したわけです。こんなことして何になるの、と思われるような仕事ですが、本当に面白く楽しかった。できあがった作品が本当に面白いと自画自賛して、ぼくらは、昨日、今日、30秒の鼻歌のアレンジを、何十回も聴いてしまいました。

グランプリ作品は、歌詞の展開も本当に素晴らしいのです。この音源も、いずれ公開できる日が来ると思います。お楽しみに。こんな楽しく面白いことを、シェアできる喜びを感じております。

ブーハー ブーハー
うしさん うしさん
ブーハー ブーハー
うしさん うしさん
モーーー モーーー
とうぎゅうし
は うしにやられましたよー
だいじょうぶ だいじょうぶ
あばらぼね おれました
どうしましょう どうしましょう
ぎゃーーーーーー はいっ 
おわり