野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

こどもはなうたコンテスト2018

岐阜にて。「こどもはなうたコンテスト」授賞式。受賞者への表彰式で、それぞれの入賞作品の音源が流れると、会場にいる受賞者のこどもが恥ずかしそうな表情でリアクションがはっきりするので、名前が呼ばれて受賞者が舞台にあがる前に、受賞者が誰か判明するところが面白い。
その後、あいのてさんミニライブ。途中で、楽器紹介を丁寧にやった。特にトライアングル。この楽器の奏法や細かい音の違いの聞き比べなどは、やってみると、みんなの耳が開き、音色に繊細な感覚になる。この後のセッションの時間にもつながる。
あいのてさんの演奏は、即興も曲も自由自在で、音楽って、こんなに自由にやって楽しく美しく鳴り響くのだ、と思う。3人が音色を大切にしていることが、根幹にあるので、そこをおさえていることで、色々なことが成立するのだろう。
その後、観客参加のセッションタイム。子どもも大人も、伸び伸びと叩き鳴らし時間が過ぎていく。15分ほどたった時に、そのままの流れで「1234」と合図をしたら、全員で止まったり、全員で始めたりできた。ソロも回せた。セッションの一時。
最後は、みんなで記念撮影。「おもひでや」の皆さん、本当にありがとう。また来年。
京都への帰り道に、片岡氏と話す。最近は、段ボールでスピーカーを作っているとのこと。イギリスのジョン・リチャーズのところで、段ボールのスピーカーで、エレクトロニクス合奏をしたばかり。段ボールで、音楽の可能性が広がる。昔、サルサ・ガムテープというプロジェクトがあったように思うが、あれは、障害者の人が力一杯で楽器を壊すから、ガムテープで楽器を作ってたような(記憶違いかな)気がするけれども、段ボール、音色がいいのか。そうか、そうか。融通がきくのか。西洋式のスピーカーは、西洋家屋のようであるならば、日本式のスピーカーは、日本家屋のように、音が壁を抜けてしまう構造でもいいのかもしれない。となると、楽器の共鳴箱も、もっと日本家屋のような構造もあり得るのか。なるほど。話をしていて、いろいろアイディアが膨らんできて、なんだか昔の日比野克彦の作品のような音楽や楽器がイメージされてきた。段ボールはビジュアルだけじゃないんだな。音もいいのか。今度、いろいろやってみよう。
自宅に戻って後、明日からの中国遠征に向けて、まずは大急ぎで洗濯して、扇風機と暖房で乾燥し。荷造りは、えーっと、レクチャーに必要な資料と、コンサートで演奏するための楽譜と、ワークショップで使う楽器と、中国は電源の変換はいらないのか、それから、、、、、気温は日本と同じような感じで、あとは、航空券のオンラインでチェックインと、チケットをプリントして、、、、ふうっ。
高校1年生の将棋プロの藤井聡太七段が、本日、初の解説を担当するので、どんな解説をするのか興味があり、ネット中継を流しながら、荷造りする。先輩の山崎八段が気を使いながらも、若い才能に敬意を表しつつ、解説しているのが面白い。ぼくも、16歳の天才作曲家と一緒に仕事してみる機会があったら、嬉しいだろうな、と羨ましくも思った。
大阪音大教授の井口淳子先生(民族音楽学/中国音楽)のコーディネートで、地歌の菊武厚詞先生、シタールの田中峰彦先生、バリガムランの小林江美先生とで、寧波大学で、音楽創作ワークショップをするのです。「世界のしょうない音楽ワークショップ」の出張バージョンで、学生50人と児童20名の70名が参加する3日間のワークショップで、最後はコンサートもするのです。
そうこうしているうちに、JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)のミーティング。こうして、夜が更けていく。