野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

考古学から考古楽へー木ノ下裕一とのトーク

木ノ下裕一さんと野村誠によるトークを、アサヒアートスクエアで行いました。野村誠×北斎というプロジェクトをやっておりまして、これは、北斎漫画に描かれた四重奏から、新しい音楽をつくるプロジェクトです。「温故知新」と言いますが、古いものを研究し、過去の謎を解明していくのが学術研究だとすれば、我々アーティストは、古い物を研究し、そこから謎を発見し、新たな創造の可能性を提案していくことだったりします。木ノ下歌舞伎を主宰し、歌舞伎のレパートリーを現代演劇として再創造しておられる木ノ下さんと、そうした話題を語り合いました。



そんな話などを繰り広げ、脱線しまくる予定でしたが、「北斎」というテーマの引力が強く、脱線しても、北斎に戻ってきてしまうので、無関係の関係について、何らかの仕組みが必要かと思い、一昨日と同様、しりとりで作詞しました。しりとりは、意味ではなく、音で連想していくので、意味の飛躍が生じます。そうして生まれた無関係の関係をどう構築するか。観客の方々と考えた結果、こんな歌ができました。これが、2089年の風景かもしれない、と思いました。7月30日のアサヒビールロビーコンサート「野村誠×北斎」にて、これも歌いたい。

牛嶋神社で雷神様が
まわしを締めて花魁道
屋形船で白魚食べた
輪廻転生 屋形船
川を上って花魁道
牛嶋神社の路地裏で
白魚と雷神様がねんごろ
すみだがわアートプロジェクト