野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

風呂フェッショナルなコンサート

千住での野村誠プロジェクト「千住だじゃれ音楽祭」の第1弾、野村誠ふろデュース「風呂フェッショナルなコンサート」を開催いたしました。

雨天だったために、受付に長蛇の列ができてしまい、お客さんの入場に予想以上に時間がかかったことが、反省点です。銭湯の入り口は決して広くない上、靴を脱いで、傘をたたんで入場いただかねばならず、ご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。スタッフの皆さんの頑張りで、なんとか大幅な遅れもなく開演できることができました。感謝。

非常に大勢の人々が銭湯に集まり、会場の雰囲気がとてもよかった。東京にいるのに、まるでインドネシアでコンサートをしているような錯覚に陥りました。客席が積極的に、その場に参加していたり、自由な風通しの良い鑑賞の仕方がありました。そして、場が不思議なトランスをしていきました。

銭湯でのコンサートは2度目の経験ですが、やはり面白いところは、誰も全貌を見ることができないことだと思います。男湯側に居る人には、女湯側の音は聞こえるけれども、姿は見えない。姿が見えないと、つまらないと思う人もいるでしょうが、姿が見えないからこそ、音に集中して楽しめたりもしますし、想像力が働いたりもします。この見えることと見えないことが半々にあること。これが、とても面白いです。

当日の様子をustream配信もしておりましたが、こちらは、両方が見え、両方の音が同じようなバランスで聞こえる体験なので、実際にご来場いただいた印象とは、だいぶ違うかもしれません。

http://www.ustream.tv/recorded/21157311

それにしても、この半年で千住に6回通ったわけですが、

1)10月頭のフォーラムで、「だじゃれ音楽祭」構想のプレゼンをして、仲間が集まり始めました。
2)11月末のワークショップで、「集まれ!風呂フェッショナル」ができました。
3)1月末に、「お風呂の音楽体験会」を実施し、さらに、PV用に、「集まれ!風呂フェッショナル」をレコーディング。
4)2月末に初のリハーサル。「おけウェーブ」など生まれる。
5)3月頭に2度目のリハーサル。「けろりん唱」参加メンバーに委ねる部分を増やし、チーム内の交流が促進される。
6)3月中旬、3度目のリハーサルと本番


6回で、歌はできるし、PVはできるし、だじゃれ音楽祭のロゴマークや、ロゴ入り石鹸もあるし、そして、とても魅力的な仲間達にも出会えました。メンバーが色々工夫したり、積極的に関わってくれ発案してくれたことが、何よりの財産です。残りの1年で、あと何回通えるか分かりませんが、1回1回を大切にしていきたいですし、ぼくがいない間にも、どんどん千住でことが進行していくと、来年の今ごろには、とんでもない地平に辿り着いていそうな予感です。

ということで、足立区政80周年のプレイベントは、これにて終了。来年度、いよいよ80周年を祝して、(予算と時間の許す範囲内で)「千住だじゃれ音楽祭」を行います。ダジャレと音楽の町=千住、と定着させたいなぁ。あと、タカラ湯さんが素晴らしいので、東京芸大とタカラ湯を、千住の2大アートスポットとして、この二つをリンクさせていきたいです。

タカラ湯でお湯を演奏するコンサートを今後1年以内にやることはないと思いますが、タカラ湯さんで、何か展示するとか、何か別の形で、今後もタカラ湯さんと関わっていけることがあるといいなぁ、と思います。タカラ湯は、千住の財産です。