野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

練習は楽しみを見つける場

1月21日(土)の神戸XEBEC HALLでのコンサートに向けて、片岡祐介さん、薮公美子さんとリハーサルをしております。

Ross Careyの新曲や、野村誠の新曲の打楽器パートは、技術的に非常に難しいわけではないので、演奏者は、演奏で遊んだり工夫するゆとりを得やすいのですが、近藤浩平の「ヴァイオリンと打楽器の為の協奏曲」は、変拍子で非常にアンサンブルが難しい曲で、演奏を楽しむゆとりを持ちにくいのです。譜面に目が釘付けになり、だんだん苦行のようになり、一生懸命ストイックに演奏し、譜面通り演奏できたけど、楽しむ気持ちを忘れて、面白みのない演奏になる、という危険性があるのです。

そこで、今日のリハーサルの課題は、各自が楽しみ方を探していくことにウエイトを置きました。難しいことよりも、作品を面白がること。どの場面が好きか?どの場面が面白がれるか?そういったポイントを少しずつ発見していく作業をしております。打楽器の場合、譜面に書かれているリズムや強弱も大切ですが、譜面に書けないような音色の微妙な違いだけでも、随分、印象が変わります。そして、そういう工夫やニュアンスや面白がり方こそ、打楽器アンサンブルの醍醐味のはずです。だから、徐々に、楽しみを拡大しております。