野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

北斎漫画→木琴→天竺徳兵衛→鶴屋南北→木ノ下歌舞伎→

北斎漫画に出てくる木琴の画に出会って以来、江戸時代の木琴の謎に取り組んできました。
(それについては、晶文社のホームページに連載しているエッセイをご覧下さい。)

http://www.shobunsha.co.jp/?page_id=225

北斎漫画の画から江戸時代の木琴に関心を持ち、調べていくうちに、鶴屋南北の「天竺徳兵衛韓噺」という歌舞伎で1804年に登場した、ということを知りました。南北の「天竺徳兵衛韓噺」について調べようと思ったまま、インドネシアに行ってしまい、そこで止まっておりました。

ところが、偶然、木ノ下歌舞伎を主宰する木ノ下裕一さんとお知り合いになり、「天竺徳兵衛」を巡る色々なお話を聞かせていただけることになりました。

http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc15/sakuhin/p1/c.html

実際の「天竺徳兵衛韓噺」のあらすじ、オリジナルに最も近いとされている台本などを見せていただきました。さらには、「天竺徳兵衛」が実在した人物だったとか、鶴屋南北が当時として、非常に異端で革命的であった、というような数々のお話を経由して、伝統芸能とコンテンポラリーがどのように出会っていくべきかを、様々な角度から雑談することができました。

いやぁー、木ノ下氏の雑談力の優れていること。木ノ下氏は日本の古典芸能の現状、現代演劇やダンスの実際も分析的かつ優れた感性で鑑賞した上で、多面的に雑談を繰り広げることができる人でした。

結局、昼の1時で、ランチをともにしたまま、気づいたら、夜8時。それから、場所を移して、晩ご飯をしながら、気づいたら深夜。たっぷり10時間は喋り続けました。本当の楽しい出会いでした。いっぱい勉強させていただきました。