野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

アジア音楽笑劇場試演

鶴屋南北の「寂光門松後万歳」、「極らくのつらね」の2作品を、上演しました。いずれも、19世紀前半に書かれて、これまで上演されることがなかった作品なので、2世紀の時も経ての世界初演となります。

通し稽古を経て、衣装をつけてのゲネプロ。皆さんが衣装をつけてのゲネプロで、どんな舞台になるのかイメージできてきましたが、皆さん、本番にならないと本気になりませんから、結局、本番をやるまで、どんな舞台かは、分からなかったです。

この感じ、インドネシアスラカルタで「世界ダンスの日」の時に、シンガポールとジョグジャとスラカルタのダンサーで上演した作品のリハーサルプロセスにそっくりです。スラカルタの方で、女性ダンサーのシーンは別に練習してたり、色んなものが本番の舞台の上で初めて合体して、全体像が立ち上がる。そういう意味でも、「アジア音楽笑劇場」というネーミングの通りなのかもしれません。

本番前に、南北の眠る春慶寺に行き、南北さんのお墓にご挨拶させていただきました。200年前の作品を初演するのですから、失礼のないように。

南北さんは、本当にユーモアのセンスに富んだ方だったんだなぁ、と上演しながら、本当に感銘を受けました。そして、悠美子さんの無茶ぶりを受けとめて、みんなで作品を楽しく作り上げれたのは、本当に得がたい体験でした。また、やりたいですね。

木琴の提供をしていただいた森重さんにも大感謝です。江戸の木琴について、またまた話が膨らみました。木ノ下くん欠場は残念でしたが、きっと、またチャンスがあると思います。急遽、トークに出ていただいた伊藤さんからは、来年は「天竺徳兵衛」との声も出ました。江戸の木琴、どんどん深みにはまります。日本舞踊の藤間先生は、最近は「道化」をテーマに活動を展開されているとのことで、様々な変更にも柔軟に対応され、素晴らしかったです。藤間先生のお弟子さん達、余興ユニットのプリンさん達、地元のアイドルのシタール王子さんなど、多くの共演の皆さん、さらには、スタッフの皆さん、お疲れさまでした。