野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

シューマンを教える

インドネシアのジョグジャの芸大から、突然、
「明日、シューマンのピアノトリオを演奏する学生たちのレッスンをお願いできますか?」
との連絡あり、いいですよ、と返事をして、突然、シューマンの演奏を教えることになった。室内楽の演奏のレッスンと言われても、ぼくは、作曲家なので、新作初演などの前に、演奏家の練習に立ち合い、自分の曲の演奏について、色々言うことはあるけど、シューマンのレッスンをするとは、思わなかった。でも、まぁ、何でも経験だし、やってみようと引き受けた。

で、行ってみると、ピアノトリオと聞いたけど、4人いる。ヴァイオリン、ヴァイラ、チェロ、ピアノ。四重奏やん!と芸大講師のエリタさんに言うと、
「ああ、そう言えば、四重奏でしたね」
と返答。で、学生を預けると、先生はとっととどこかへ行ってしまった。

で、レッスンするわけです。シューマンのピアノ四重奏。作品47の何楽章なのだろう?ま、とにかく、一度、演奏を聴かせてもらって、あとは、アドバイスする感じ。これが、なかなか良い曲なので、作曲家の視点になって、自分がシューマンであるつもりで、作曲者として演奏家にいろいろお願いしました。

それにしても、クラシックの演奏も、ジャワ人的なんですよねー。リーダーシップをとる人がいなくって、みんなが周りに歩調を合わせようとするから、まったりして、遠慮気味に、なんとなく合わせて演奏する。メリハリが弱くなる。あと、インドネシア語で伝わらないところは、身振りや歌いながら伝えるので、最後の方は、ずっと、ヴァイオリンやピアノやヴィオラやチェロのパートを歌いながら、レッスンになりました。で、最後まで、先生は現れず、時間になって、終わろうかとなったら、突然、記念撮影大会になって、終了。

明日の室内楽フェスティバルで演奏するらしい音楽学科2回生の4人、でも、演奏は見違えるほど活き活きとしてきたので、明日、良い演奏ができることを祈っています。

また、急に、こういうレッスンを頼まれるのかなぁ?この国は、不思議なことが多いです。