野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

小技弁当〜遠田誠+高須賀千江子のダンス「福岡市美術館」

7月4日に、福岡市美術館で開催するダンス公演でありピアノコンサートである「福岡市美術館REMIX」に向けて、遠田誠+高須賀千江子が、野村誠作曲の21のピアノ曲福岡市美術館」をダンス作品化している。

今日は、初めて稽古場を見に行った。

21の作品は、もともと美術作品のタイトルで、美術作品は、ピアノ曲へと生まれ変わった。
そのピアノ曲に、ダンスを作っているわけだ。
2人は、もちろん、原作の美術作品を知らないで、曲だけを聴いて、ダンスを作っている。

田淵安一さん(1921〜2009)の絵画「死んだ花の思い出のために」をもとに作った曲に、二人は「小技弁当」という副題を付けて踊っていた。このダンスが、すごい良かったし、田淵さんの絵画と、全く無関係な新しい世界が生まれていて、音楽も全く違った音楽に聞こえた。

田淵さんは、昨年、この曲が生まれて数ヶ月後に、他界されている。田淵さんには、楽譜が届けられているはずなので、この曲も良い思い出になっただろう、と市美術館の学芸員の方もおっしゃっていましたが、今日、改めて、このタイトルを見て、そのことを知りながら、この新たに生まれ変わったダンスを見て、感慨深い気持ちになった。

ということで、その他、何曲かを見せていただきましたが、主には7月へのお楽しみです。7月4日、コンサートであり、ダンス公演である「福岡市美術館REMIX」が世界初演です。お楽しみに!