野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鍵盤ハーモニカの番組ロケ

NHKの「ヒミツのちからんど」という番組で、鍵盤ハーモニカの回で、P-ブロッが出演し、子ども達とも鍵盤ハーモニカで共演することになりました。

で、子どもたちに鍵盤ハーモニカの魅力や技法を伝授する役割は、ぼくがやることに。

その収録の1回目。

出演の4人の小学生に、鍵ハモを教えました。鍵盤ハーモニカで作曲するワークショップは、

1)2008年8〜9月の水戸芸術館
2)2009年9月の北九州の小学校(4クラスで4曲)
3)2010年2月のさいたま子ども劇場

と3回やっています。今回の番組は、この3回の経験をベースにしています。この3回と同じようなプロセスで行い、そこで子ども達が鍵盤ハーモニカの魅力を見つけたり、鍵盤ハーモニカの演奏技術を習得していく過程を番組として見せていく、というものです。

4人の子どものキャラクターが少しつかめたので、それぞれの子どもの魅力を最大限に発揮できる曲を作りたいな、と強く思いました。もちろん、P−ブロッの良さと鍵盤ハーモニカの魅力を伝えますが、4者4様の鍵盤ハーモニカの楽しみ方を見せることができれば、番組視聴者にとっても、鍵盤ハーモニカに対して、4通りの入り口ができるだろうな、と思うのです。

音楽を習得する時に、どうしても、一通りの答えがあって、その方法でしか楽器を学べない、と思ってしまうと、かなりの確率で、どこかで行き詰まり挫折し、辞めてしまうことになります。でも、入り口が複数あって、アプローチも複数あると考えれば、挫折を回避できたり、辞めなくてすんで、別の楽しみ方を見つけることができます。鍵盤が得意な人もいれば、音色の美しさに関心がある人もいれば、リズム感が良い人もいれば、タンギングの切れ味がいい人もいれば、やんちゃな演奏スタイルが面白い人もいる。それを、全部、網羅することは、無理でしょうが、でも、どれからでもいい。自分に合ったものから始めることができる。4人4様の楽しみ方が見せられれば、色々あるんだな、ということは、分かってもらえると思う。

それが番組の中で見せられるような音楽を作りたいと、出演の4人の子どもを見て、強く思った。次回の収録は、来週です。子どもたちと出会い、そこから音楽が立ち上がるのが、すごく楽しみです。