野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

現代美術でしか発表されない音楽

昨日のトークで、岡部さんにご指摘をいただき、ああ、野村誠というのは、音楽家でありながら、随分、国際展に出品しているのだなぁ、と思います。

確かに、美術展の参加は多く、例えば、

1998年 どないやねん〜現代日本の創造力 (パリ国立高等美術学校美術館)
2001年 出会い展 (東京オペラシティアートギャラリー
2001年 Facts of Life  (ヘイワードギャラリー:ロンドン)
2005年 横浜トリエンナーレ2005 
2006年 取手アートプロジェクト2006
2009年 福岡アジア美術トリエンナーレ

などでは、何らかの展示は、してきているわけですが、もちろん美術作品でありますが、音楽作品なわけです。

で、昨日の学生の話でも、音楽を勉強したいけど、音大ではなく、美大を受験する、というケースもある。つまり、現代音楽の世界が、あまりにも不自由で、そこだけでは不自由な人は、現代美術など、他のジャンルに活動の場を求めて行ったりするわけです。

魅力的なコンテンポラリー・ミュージックのシーンが築けていければ、そこの中で、もっと頻繁に面白い音楽が生まれてくるはずですが、、、、。「動物との音楽」とか「お湯の音楽会」とか「らくがっき」、山中カメラの創作盆踊り、藤本由紀夫さんのカシオ電卓のパフォーマンス、などが発表されるのは、ほとんど美術系の文脈なのですが、そうしたものが発表できる音楽のシーンがあるべきなのだと思います。だって、どれも明らかに音楽なのだもの。そして、非常に面白い。そうした音楽シーンを、作る必要を感じます。