野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

モモンガ・コンプレックス

モモンガ・コンプレックスの公演を見ました。モモンガ・コンプレックスというのは、complex(=複合体)なので、色んな人が集まったグループなのかと思っていましたが、どうやら若手女性ダンサーのグループのようです。色んなゲストを加えることで、コンプレックスなるようです。その色んなゲストが面白い。

最初の爽やかトークは、市の職員さん。歌を歌って楽器を鳴らす照明さん。いきなり舞台に引っ張り上げられて呆然とするのが得意な人。などなど。。。。。その人たちの顔が見えてくるのは面白い。

ぼくは、ダンスでは、ダンサーの息づかいや足音などが、とても良い音楽だと思うのですが、それらと楽器が融合して、空間的な音楽になっているシーンがいくつかあり好きだった。

見ていて、ぼくも踊りたいと思った。ダンス公演を見ていて、踊りたくなる経験は珍しい。この公演では、踊りたいなー、と思いました。しかも、公演中に、講座はあるし、何度もshall we danceと言ってくれるし、舞台美術家の人も踊っているし。。。。。公演中は我慢して、帰り道とか、家に帰ってから踊っていましたが、、、、。

コンテンポラリー・ダンスというのは、バレエなどの型を起点にしたダンスと違って、日常の仕草などを起点に、これもダンスになり得る、みたいなことをやってたりして、現代に到っているのだと思うのですが、そういう日常の仕草がコンテンポラリー・ダンスとなり、ぐるーっと一回転して、日常生活で踊りたくなるところに戻ってくるのは,素敵だと思った。社交ダンスがモチーフとして何度も出てきたが、こうやって踊りたくなるダンスが、現代の社交ダンスかもしれないし、それは社会と交わるダンスになのかもしれない。