野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

4度目の浜松

あいのてさん、浜松に来ました。これが4回目です。

 最初に来たのは、昨年の3月。黄色のあいのてさんが、浜松に引っ越した直後のことです。知的障害の子どものアート活動をサポートしているレッツで、あいのてさんコンサートをやりました。この時は、知的障害の子どもたちが、たくさん来たコンサートだった。ゲストは、岐阜在住の中村くん(ディジリドゥー)。

 2度目に来たのは、昨年の11月。ママさんブラスの主催で、あいのてさんコンサート。ママさんブラスのお母さんたちの多くが、子連れで、コンサートの後、ママさんブラスを対象にした非公開のワークショップをして、共演の可能性を探る。また、パヤカというお店で、P−ブロッとあいのてさんの投げ銭ライブも開催。

 3度目に来たのは、今年の3月。ママさんブラスのコンサートに、あいのてさんがゲスト出演。あいのてさんの曲「アラビアンストローナイト、レッツゴーレジぶくろ、を黄色のあいのてさんが編曲し、共演をした。

 4度目となった今日は、浜松子ども館の主催でのコンサート。

ということで、黄色のあいのてさんが浜松に住み始めて1年半で、なんと4回もあいのてさんコンサートをやっています。で、コンサートやって、それはそれなりに楽しいのですが、どうして自分は、4回も浜松に来て、毎回、同じようにあいのてさんのコンサートをやっているのだろう、と思ってしまったのです。

レッツの時に来ていた知的障害の子どもたちが、多分、浜松子ども館のライブには、一人も来ていなかったように思うし、ママさんブラスのお母さんと子どもたちも、ひょっとしたら来ていたのかもしれないけど、どうも見かけなかったし、声もかけられなかったし。過去3回、浜松でやったことの蓄積は、今日のライブに何か反映されていたのだろうか?と疑問に思ってしまいました。せっかく、あいのてさんとママさんブラスで共演できるレパートリーがあるし、それを浜松子ども館の企画でさらに発展させるとか、何か過去にやったことがつながっていくといいと思うのです。それは、ぼくの意識の低さの問題かもしれない、と思いました。

それは、山口に行ってライブした時の経験と比較してしまっているのだと思うのですが、山口県立大学の学生たちと交流しながらコンサートを作れたのは、県立大学の水谷先生がコンサートの前にも何度もワークショップを設定したり、地元のアナウンサーが出演するシーンを作ったり、コンサートの前日にも、学生たちとのフォーラムを設定したりしたことが大きかったです。今回も、山口では、マツトミさんが企画して、若手アーティストとのセッションを組んでくれました。何か、一緒にコンサートを作っていこうという動きを感じられました。

あいのてさんが浜松に来るのは、今回が最後なのか5度目があるのか、それは分かりません。でも、コンサートをするなら、浜松の人と一緒にコンサートを作る感じのことがしたい、と強く思いました。子ども館でやるなら、世界中のどこでもできない、子ども館でしかできないようなコンサートをやってみたいし、レッツでするなら、レッツ+あいのてさんでなければ実現しないようなことをしたい。そして、レッツのお客さんも、ママさんブラスのお客さんも、子ども館のお客さんも、パヤカのお客さんが、なぜか分離していても、そうした境界を超えて存在できるのが、あいのてさんのはずです。じゃないと、あいのてさんをやっている意味がない。

あいのてさんのライブは、楽しい、面白い。でも、もっと面白いことができると感じるから、今日は、物足りない気持ちで帰ったのだと思う。あいのてさんの今後を、じっくり考え直したいと思った。

そんな終演後に、子ども館の村瀬さんと話ができてよかった。村瀬さんの熱い思いも聞けたし、たけし文化センターで深沢孝史さんらがやっているワークショップは、まったりととてもいい感じだった。来週は、即興からめーる団が浜松に来てワークショップをするらしい。ああ、もっと面白いことしたいよー。やるぞ〜〜〜〜〜〜〜!

たけし文化センターについては、以下を参照ください。
http://takebun.exblog.jp/