野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鍵ハモ小品特集

久しぶりに、P−ブロッのリハーサルです。

まずは、ベートーヴェンの「熱情」のしばてつアレンジ。シリアスなベートーヴェンが、なんともおかしなコミカルな曲になっています。これ、久しぶりにやってみたけど、笑える。ジョン・ケージの「クアドリベ」もいい。映画「ニューシネマパラダイス」の野村アレンジも、鍵ハモならではのサウンド。もう一つ映画音楽で「ディアハンター」も野村アレンジがありますが、これも久しぶりにやってみたけど、美しい。原曲もいい曲だけど、この鍵ハモ版は、大好き。96年のP−ブロッ結成時にしばてつが作曲/編曲した「細雪」、「WB」、「バルトークのヴァイオリン協奏曲」(10秒!)、「ラヴェル弦楽四重奏」(25秒)、「(ストラヴィンスキー春の祭典より)若い女の踊り」、「口占い」は、今演奏すると、12年前よりも曲の輪郭がくっきり聞こえてくる。これまた、しばさん編曲の「ペーターと狼」も名曲。しばてつアレンジで言えば、メシアンの「時の終わりのための四重奏」の第4楽章も楽しい。今年はメシアン生誕100年だし、これもやろう。ジャズシリーズでは、吉森アレンジのコルトレーンの「Giant Steps」、野村アレンジのチャーリー・パーカーの「Klact-oveeseds-tenes」もやった。「Klact」は、2002年の初演以来かなぁ。これも、忘れてたけど、面白いや。かつてメンバーだった磯たか子さんの「南国で雨宿り」も今演奏すると、昔よりも楽に楽しくできるなぁ。野村の「月から来た男」も久しぶりに音にしてみました。以前、ダンスミュージック特集でやった様々なレゲエのリズムもやってみました。そして、ダウランドの曲も2曲やったけど、こうしたルネッサンス音楽が、すごく美しい。吉森作曲の「壁のむこう」は、ホースを少しはずして演奏して、空気のもれる音が混ざる曲で、渋い味わい深い曲。これも、初演以来やってないなぁ。2005年にやった鍵ハモミュージカル「でみこの一生」の中の曲を何曲もやってみました。これまた名曲ぞろい。林加奈作曲の「いかにしてカレー」も久しぶりに絵の楽譜を見ながら演奏。脇坂明史の「6重奏」はとても美しいハーモニーと気持ちいい変拍子P−ブロッの初のしょうぎ作曲「2050年の農耕歌」も、やってみました。

それにしても、今日の練習はすごく楽しかった。以上のような種々雑多な曲も無節操に次々に演奏してみたけど、立ち上がる音楽にワクワクした。ああ、P−ブロッって、こういう風に面白いんだ、楽しいんだ、と再確認した。P−ブロッをこれからも続けていきたいな、とあらためて思った。何がやりたくてP−ブロッを結成したのか、初心をちゃんと思い出しました。うん。楽しい。面白い。美しい。音楽の可能性と生きる喜びが、そこにいっぱいあったので、やったー!と思いました。

ということで、9月19日の門仲天井ホールでのライブでは、こうしたP−ブロッの数々の小品の名作を、まとめて取り上げます。1〜2分の曲を30曲くらいはやってしまいそうな感じです。
お楽しみに。