野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

作曲は引越で、引越は作曲

アコーディオンの大田智美ちゃんのために書く新曲を、今日から書き始めました。智美ちゃんは、10年近く住んだドイツでの留学の最後の試験で、ぼくの新曲を演奏する。逆に言うと、この曲を演奏したら、引越をするわけです。

ぼくも、実は現在、引越の準備中です。引越をしてから作曲するか、作曲をしてから引越をするか、スケジュールをどうするかについて、迷っていましたが、この曲は、智美ちゃんの引越前に捧げる曲なので、引越しながら作曲することにしました。

つまり、部屋を片付けながら、段ボール箱に詰める。そのうち、何かが出てくる。忘れていたことを思い出す。または、自分が殴り書きした楽譜の断片なども出てくる。それを音楽として、スケッチしていくのです。だから、引越しながら、だんだん曲ができてくる。

そして、引越とは、これを捨てるか持っていくか、迷うのです。作曲も同じです。出てきたアイディアを捨てるか採用するか、迷う。そういう作業をしていこうと思っています。

そして、この曲は、智美ちゃんの引越に捧げる曲になる。あ、どうやって作曲すればいいかが見えてきた。そして、ぼくは、作曲しながら、引越をすることになった。引越は作曲で、作曲は引越だ。