野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Sweets for Toy Piano作曲

エンリコさんが、山陰ツアーに出かけていき、こちらは、今日も新曲を作曲。20世紀の傑作に捧げる「チープ・イミテーションズ」という曲集を作曲中(9月10日に東京のカーサ・モーッアルトで初演するのです)。どれも、既にある特徴的な傑作に敬意を表したイミテーションなので、まず、オリジナルを研究/分析した上で、ファースト・インプレッションで一気に作曲してみる、ということをしております。つまり、その傑作の中に自分が何を見出すかをやりながら、巨匠との対話をしながらのある種のコラボ企画なわけです。毎日、違う課題があって、遊び感覚で楽しく作曲しております。そう言えば、エストニアの作曲家ライモ・カングロに巨匠を模倣する作品あったことを思い出しました。どんなのだったか気になって聴いてみました。モーツァルトの似顔曲がこちら。ぼくがモーツァルト風に書いても、こうはならないなぁ。人それぞれです。


で、本日は、ジョン・ケージの「Suite for Toy Piano」(おもちゃのピアノのための組曲)に捧げる「Sweets for Toy Piano」(おもちゃのピアノのためのスイーツ)を作曲しました。Suite(組曲)とSweet(お菓子)が同じ発音であることからのだじゃれなのですが、、、。

ということで、ケージのは組曲で5曲から成り、ソラシドレの5音だけ使っている曲と、その上下にミファを足した9音を使っている曲があるので、ソラシドレだけの場面と、ミファソラシドレミファだけの場面で、作曲しました。作曲にあたっては、浄書ソフトのシベリウスに、音高をシャッフルする機能とかがあるので、そうした機能を組み合わせながら、リズムやメロディーを作っていきまして、もちろん、スイーツも演奏に加わるような感じで作曲。譜面を送信しました。

作曲の途中で、鍼灸の治療に行って、体調を整えました。

明日は、コーネリアス・カーデューの「The Great Learning」に捧げる「The Great Earning」を作曲するので、コーネリアス・カーデューの伝記John Tilbury著「Cornelius Cardew(1936-1981) a life unfinished」を読んだりしながら、構想を練っております。