野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

「平石博一+P-ブロッ」のコマーシャル映像

本日のリハーサル会場に、大沢寅雄さんが来て、コマーシャル映像を作ってくれました。全員集まる前の林加奈さん、赤羽美希さんの二人の練習のチェックをしている場面なので、6人や8人で演奏している様子はここでは見えませんが、予告編です。面白いので、ぜひ、見てください。

http://monnakaten.exblog.jp/7483507/


今回、P-ブロッが演奏する7曲について、一口コメント

「Up To Date ?」・・・96年の初演当時は、バス鍵ハモという楽器の性能上、指定のテンポでは演奏不可能と思っていた曲。今では、すっかり楽しんで演奏できる古典的な作品になった。左右に分かれた2台のバスの掛け合いと絡みの聴き応え十分。

「石は足につまずく」・・・平石作品の中でも最もユーモラスな作品。左右に分かれて、ボケとツッコミの応酬をするように演奏を楽しむのが醍醐味。

「緑色のガラスをぬけて」・・・音と音がぶつかり合って、響きが微妙に変化していく曲。鍵盤ハーモニカのピッチの不安定な部分が逆に生かされて、和音に微妙な味つけが出てくるので、まさに鍵ハモアンサンブルならではの曲。

風光る」・・・最初から最後まで、強い意志を持って駆け抜けていくような音楽。非常に繊細で優しさを持ちながら、しかし、音楽は前へ前へと進んでいこうとする。

「手の記憶は耳に届く」・・・バス鍵ハモ8台でビートを重ねていく曲。アタックが出にくい低音楽器なので、ビートを正確に出すことに向かないけれど、それを無理して追求してできるアンサンブルやサウンドは、やはり独特で面白い。

「この風は新たな光を放つだろう」・・・他の平石作品は、どれもタイトルが曲のキャラクターを雄弁に説明しているのだが、この曲は、まだ、ぼくらが十分に捉えきれていない。この曲をもっと練り上げていくと、P-ブロッに新たな光が放たれるはずなんだと思う。そして、そこに到達したくて、この曲に挑んでいるのだが、発展途上。もっともミニマルから遠い音楽で、いろんな要素が混ざっていて、ある意味、平石作品の中で最もP−ブロッ的な雑食性の音楽。

「Walking in Space」・・・4chで8人で音を空間の中で移動させる音楽で、今回が世界初演。この曲の譜面をいただき、改めて平石博一という作曲家の偉大さを思い知った。自分が信じる音楽を、ただただストレートにやりきることの潔さと力強さ、それが平石博一の最大の魅力だと思う。


今日もみっちり練習しました。
明日もみっちり練習します。
皆さん、2月17日、来てくださいね。
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