野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

タテヨコ企画

横田修さん作・演出の「宇宙ノ正体・メロス編」を見てきました。フジテレビ1Fのマルチシアター。フジテレビには初めて来ましたが、忙しい雰囲気に居心地が悪いが、飛び石プロジェクトのチラシを作ってくれた京さんにお会いできて、やや居場所を確保。でも、あいのてで一緒だった森迫エイちゃんは、ちびまるこちゃんとかで、ここで仕事したりしてたんだなぁ、とエイちゃんのことを思い出した。元気かな?会場前に場内で、音楽がかかっていて、いい雰囲気だったのに、突然、スポンサーのガムのCMがプロジェクションされて、かなり暴力的にCMを見た上に、その音がうるさくて、すごくいやだったが、幸運にして、もう一度、音楽に戻った。それから、演出の横田さんご自身が出てきて、前説(携帯の電源を切ってなど)をされたのですが、これがとても良く、これだけでも、十分作品のよさが理解できた。

作品については修行僧がいっぱい出てくるお芝居で、とても面白く見ました。なんだか、ぼくの家にありそうな楽器が、途中でいろいろ小道具や効果音で鳴らされていて、その出方が面白かった。最後に、般若心経の合唱で終わっていくのですが、般若心経は、98年のパリで、何十回とパフォーマンスをした懐かしいお経です。「メダム、エ、メッシュー。セ、アンニャー・シンギョー」と言って始めて、般若心経を普通に一回読むところ、輪唱にするところ、輪唱にしながら、「無」の文字だけを2拍高い声で伸ばし、「不」の文字を2拍ポルタメントで伸ばして読んでいたのです。4文字ずつの単位になっているのが、これによって変拍子になっていくのですが、久しぶりに4拍子を貫くのを聞いて、よかったよかった。みんなのピッチのばらけ具合も美しく、「宇宙ノ正体」というタイトルでも、ま、いっかと思った。